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年間2000件の不動産仲介を行う三春情報センター(神奈川県横浜市)は仲介から派生するリフォーム受注を強化する。昨年10月には中国にパース、図面製作会社を設立。仲介の際に具体的なプランを見せ、受注金額のアップを狙う。また、リフォーム顧客を不動産売買など他事業につなげる連携により、売り上げを拡大し10年後に200億円を目指す。
▲今後地域ごとの基幹店としての役割を考えている「mic R studio」
23の拠点を60ヵ所に増加
同社は「生活総合産業」を基本理念として、不動産仲介、リフォーム、新築、家具など住宅に関わるあらゆる事業を手掛けてきた。2010年度の売り上げは37億円で事業の核となる不動産仲介件数は売買、賃貸それぞれ1000件。トータル約2000件を取り扱う。
今後は住宅産業を多角的に行う強みを生かし、リフォームの顧客を不動産事業につなげるなど事業部ごとの連携を進めていく考えだ。
「仲介以外の事業から他の事業に広げるジョイントを進めていきます。もし、お客さんがリフォームで感動してくれたなら『不動産を売るときもお願いね』となる。10年後には23拠点を60拠点に増やす計画で、拠点増加に伴いお客さんも増えていきます。するとジョイントの強みがより出てきます」(春木磨碑露副社長)
この事業別の連携を進めるにあたり、鍵となるのが顧客満足度。親子3代での長い付き合いを進めていく。
「この前はこんなことがありました。10数年前リフォームした人から壁の中が腐っているとのクレームが入ったのです。もちろん10年以上前ですから、通常の保証期間は過ぎています。でも営業マンは『社長がだめといったら会社を辞めます』と顧客に言ったそうです。直すのに600万円かかりましたが、工事を行いました」(春木副社長)
この生涯にわたる保証を行うため同社はリフォームの粗利率については厳しい。粗利4割を割ると呼び出しとなり、将来的には7〜8割の粗利を獲得していきたい考えだ。
「粗利が高いから他よりもお客さんに示す価格が高いというわけではありません。実際、他でリフォームをするよりも安くしています。粗利が低いと一生涯保証できないということです」(春木副社長)
高い粗利を獲得するために、基本キッチンやバスなど商品の単体売りは行わない。リフォームについては家具も含め、暮らしの提案を行っていく。そのため、10月には中国の瀋陽にCAD設計を行う会社を開設した。営業提案のための3Dパースや図面を作成し、よりリアルな提案をお客さんに対して行うことが目的だ。
「今後はすべての案件に家具を含めた3Dパースを添付し、住まい方を見せてあげます。不動産仲介の際に『こんな形にもできますよ』と見せてあげるのです。仲介では新築戸建てを探しにきた人でもマンションリノベーションも良いのではと思えばリノベーションを提案していきます。その際、具体的に見せるものとしてCADを利用するのです」(春木副社長)
▲オリジナルの家具も展開
【会社概要】
本社所在地: 神奈川県横浜市 * 設立: 1977年2月 * 売上高: 37億円
社員数: 162人 * 拠点数: 23ヵ所 * 代表者: 春木裕児

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