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受注につながる診断術 《特集》
ハウスドゥ(東京都千代田区)は建物状態の検査資格「建物アドバイザー」の取得により、中古住宅仲介時のリフォーム受注を伸ばしている。
奈良県にある橿原店では同資格の取得をきっかけに、2012年度の仲介からのリフォーム売り上げが前年度比4.4倍となった。物件案内時にリフォームが可能かの回答や概算金額の提示ができるようになったことが、売り上げ伸長の大きな理由だ。
この「建物アドバイザー」とは、不動産仲介営業マンやリフォーム営業社員向けの建物知識資格。基礎知識を習得する3級、実践スキルを身につけた2級、実務まで行える1級の3段階がある。約2年前に設立され、不動産営業マンを中心に今まで660人が受講した。
ハウスドゥでは2年前からこの建物アドバイザーの資格取得を推進しており、約120名の仲介営業マンの4分の1である30名が資格を有している。冨永正英取締役は「責任者の資格取得を必須とし、将来的には全員の取得を目指したい」と意気込みを語る。中古物件の仲介時のリフォーム単価が確実に拡大しているためだ。
「段々お客様に話す内容が変わってきました。以前は汚い、奇麗といった誰でも分かるレベルの話しかできませんでしたが、部位ごとにまだ使えます、交換した方がよいでしょうと、物件案内の場でアドバイスができるようになりました」(冨永取締役)
このアドバイスにより従来、建物内部の表層部分しか手を入れなかった顧客が、見えない部分の補修なども行うように変わってきている。当然、リフォームの単価も高まっている。
建物アドバイザーは不動産営業マンの知識不足が背景となり、作られた。仲介の現場担当者は物件の劣化状況や不具合についての知識の無さから、お客さんに改修が必要な場所や将来的なリスクを説明できていない。同資格を有することによって、最低限の知識を有することができ、状況に応じたリフォームの提案などにもつなげることが可能となる。ハウスドゥでは資格取得により建物の劣化状況に不安を持つ中古住宅購入に、安心感の訴求ができるようになったことで、中古仲介件数も増加。その数は月間100件を超えた。
今後の課題は、リフォーム受注数の増加だ。富永取締役は「現状、仲介時のリフォーム獲得率は7、8%ですが、それを増やしていきたいです」と話す。

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