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年600件の中古住宅仲介、改修セット提案で拡大三春情報センター

年600件の中古住宅仲介、改修セット提案で拡大 三春情報センター

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三春情報センター(神奈川県横浜市)は年間約600件の中古住宅仲介を手掛け、そのほとんどにリフォームがついてくる。不動産とリフォームを融合することで業績を伸ばしている。

三春情報センターの方針

27店のネットワーク

 リフォームと不動産の融合店―。4月中旬、横浜市内にオープンした新店舗のテーマがこれだ。同社では中古住宅からリフォームまでをワンストップで提供するサービスに今、力を入れている。

 同社は神奈川県を地盤に直営で13店舗、グループで27店舗の拠点を持つ不動産会社。年間2000件ほどの不動産仲介を手掛け、そのうち中古住宅が600件ほど。ユニークなのは、一般的な不動産会社では単に中古住宅を仲介するだけにとどまるケースが多いのだが、同社では積極的にリフォームもセットで提案し、成約に結びついている点だ。

 同社のリフォーム売上高は7億2000万円(2012年度)。2013年度は前年比約40%増の10億円突破を計画している。

 春木磨碑露社長は「今後は中古を買ってリフォームする人がさらに増えていきそう」と話す。

高単価工事がメーン

 同社のリフォームの平均単価は200万~250万円。一般的なリペア、リフレッシュのような改修工事よりは単価が高い。空間全体をリノベーションする600万円以上の成約が増えてきているためだ。

 リフォームを受注するために工夫している点が3つある。

 1つ目がセミナー。例えば、「中古住宅を活かす、目からウロコのリフォーム・リノベーションセミナー」といったタイトルのイベントを定期的に開催している。これは、中古を買ってリフォームしたいユーザーを集めるためのイベント。

 このセミナーは、家が欲しいユーザーの視野を広げ、中古住宅の魅力を伝える機会。例えば、予算は十分にないが新築にこだわっている人に対しては、何とか無理して小さな新築住宅を買うよりは、古くても広い割安な中古住宅を買って、新築同等に直して住む魅力を伝える。

 また、今後何らかの理由で転居しなければならなくなった時のために備え、好立地の中古住宅を買っておいた方が後で売却しやすい、といったような提案をしていく。

 新築しか考えていなかったユーザーにとってはまさに"目からウロコ"。このようなセミナーを通じて、新築が良いのか、中古がいいのか、という選択肢を提供し、顧客とのつながりを深めていく。

評価の仕組みを工夫

 2つ目はリフォーム営業を積極的に行うための評価の仕組みを作っていること。

 同社では中古住宅購入者に対して、リフォームも提案し、設計・施工を請け負う。リフォームが成約すれば、リフォーム営業、不動産営業ともに成績として評価されるようになっている。一般的な不動産会社ではリフォームが成績に反映されない評価体制になっていることもあり、進んでリフォームを提案しないケースが多い。

 同社ではインセンティブを設けることで、リフォーム営業のモチベーションを高めている。なお、売買営業担当は約60人いる。

 3つ目がユーザーのリフォームの意欲をかき立てる仕組みの構築。その1つがミックRスタジオというリフォーム専門のショップを用意していること。ここには、9人のリフォームコーディネーターが在籍し、プロの視点からリフォームのアドバイスを行うことができる。
そして、比較的大規模なリノベーションになる際は「3DCGパース」を活用する。これはリフォームの完成イメージを立体的に伝えるツール。

 さらに、具体的にリノベーションを体感してもらう場として「みれる現場」を常時10現場ほど用意。完成現場だけでなく解体中などバリエーションを用意。仕上がりの不安を解消する効果がある。

 同社ではさらに店舗ネットワークを拡大させ、今後も神奈川を地盤に「中古×リフォーム」を強化していく方針。

 「中古住宅もいいものというマインドが広がれば、さらに需要は増えていくでしょう。単純に不動産を売った、買っただけのビジネスではなく、この町やエリア、そこに住む人に役立つ総合生活産業を目指していきたい」(春木社長)

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