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《最新住宅展示レポート》築50余年の"体感モデルハウス"

《最新住宅展示レポート》築50余年の"体感モデルハウス"

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 三井不動産リフォーム(東京都新宿区)は、東京都目黒区自由が丘にある築50余年の戸建て木造住宅を、同社が進める「スマートリフォーム」仕様に丸ごとリフォーム。体系的なリフォーム提案のモデルハウスとして、一般公開している。その注目ポイントをリポートする。

モデルハウスの外観
モデルハウスの外観

小屋裏の熱を利用

 既存住宅のエコリフォームでは「窓改修」など、部分リフォームにとどまるケースが多いが、三井不動産リフォームの同モデルハウスは、既存住宅全体を丸ごと"エコ化"している。自然の力を生かすパッシブデザインに、機器によるアクティブの省エネがプラスされて、快適性に加え、光熱費の大幅削減を図っている。

 パッシブでは、床・壁・小屋裏などの断熱性能を高めた上で、さらに吹き抜けや通風建具などと、機械換気を組み合わせた「ブリーズ・ベンチレーション・コントロールシステム(B・V・C)」を採用。

断熱材の施工の様子
断熱材の施工の様子

 夏はこもった熱を、素早く2階の小屋裏の排熱扇から排出。逆に寒い冬には、小屋裏にたまった暖気を1階のトイレや廊下などに送って暖め、ヒートショックを防ぐ。アクティブでは、太陽熱利用給湯器やエネファームの創エネ機器、非常時のライフラインともなる蓄電池を採用。HEMSでコントロールしている。

小屋裏の暖気が送られて来る1階トイレ給気口
小屋裏の暖気が送られて来る1階トイレ給気口

「スマートリフォーム」

 同モデルハウスは、三井不動産リフォームの「スマートリフォーム」のコンセプトによるもの。「パッシブデザイン」を基本に、省エネ・創エネ・畜エネ設備を利用する「アクティブデザイン」、消費の見える化でエネルギー利用の最適化を促す「スマートマネジメント」を組み合わせている。

 住宅街にただ1軒のモデルハウス、という立地条件のため、ここを訪れる来場者はリフォームへの関心が高く、熱心に見て回るという。

 2012年11月のオープン以来、リニューアルを重ねながら、土・日・祝日(10~17時)に開館。平日の見学は予約が必要。 

【Point】開閉自在の「地窓」や「欄間」でここちよい"風の通り道"

 開閉式の「床面給気口」は、防犯を心配せずに外の涼しい風をそのままリビングに取り入れられる。

床面給気口
床面給気口

 またリビングに設けられた「地窓」を開けると、庭先に水をまけば気化熱で冷却効果がある「保水ブロック」があり温度上昇が抑えられる。

涼しい空気が入るリビングの地窓
涼しい空気が入るリビングの地窓
下部が保水ブロック
下部が保水ブロック

 各部屋のドアの上部にも開閉式の「欄間」が設けられ、ドアを閉じたまま、上部の開閉で通気・室温を調整できる。

欄間付きドア
欄間付きドア
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