総合商社の渡辺パイプ(東京都中央区)は6月5日、仕入取引先の集まりである関東千鳥会およびグリーン千鳥会合同定期総会の中で、2022年度の決算を発表した。グループ売上高は前期比114.2%の3832億300万円となり、13期連続の増収だった。また経常利益は約166億と過去最高益を更新した。
渡辺圭祐社長は、「納期問題が正常化してきたこと、また、全部ではないですが2021年度以降の資材の値上がりを売り上げに反映できたこと、1万社以上の新規開拓ができたこと」と好業績の理由を話す。
事業別業績では、住建事業が前期比115.9%の1046億3400万円となり、売上増のけん引役になった。電工事業も大きく伸長し、全体売上の4.8%を占めるまでに成長した。
今期はグループ売上高4000億円突破を目指す。特に高い成長率を見込む住建事業売上は前期比106.1%の1110億円を見込む。
加えて、今期からは2025年度に向けた新中期3カ年計画「VISION2025」がスタート。最終年となる2025年度にはグループ売上高4200億円を計画している。
渡辺社長は達成に向け次の重点方針を進めていくと話した。
「人材不足は業界全体の課題です。そのため人材の採用・育成・定着を重点施策とし、次の3カ年で社員の平均年収の15%昇給を打ち出しています。また、ふるさとUターン制度など、社員の多様な働き方に対応。他には、ネットワーク力を最大限生かします。全国に営業所がありますが、一つ一つの拠点が点になっており、面で商売ができていません。当社の本来の強みを生かせていないので、サービスセンターごと、エリア、業態を超えた連携や物件情報の共有を評価していきます」
他にも、顧客とデジタルでつながる設定を強化することや、新規事業による安定収益源の積み上げにも取り組む方針だ。
渡辺圭祐社長

最新記事
この記事を読んだ方へのおすすめ
-
1653号(2025/06/16発行)5面
-
1653号(2025/06/16発行)4面
-
1653号(2025/06/16発行)20面
-
1653号(2025/06/16発行)5面
-
1651号(2025/06/02発行)5面