軽くて丈夫な外壁材として人気の金属サイディング。近年はデザイン性の向上により、ますます注目を集めている。機能性に加えて美観性にも優れた素材だ。
従来タイプはシンプルなデザインが主流
ひび割れや凍害に強く、丈夫な外壁材として人気がある金属サイディング。窯業系サイディングの約3分の1の軽さで、リフォームにも適している。
立体感を出す深彫りで意匠性が向上
近年の金属サイディングでは、深絞りの技術を生かして深彫りが可能になっている。目地部分と全体に凹凸を入れることで、多彩な表情を出せるようになった。表面は2色や3色の塗装で、自然な質感にこだわり、金属ならではの光沢を生かしつつ、高級感を表現。付属品まで2色使いのものもあり、外観の細かなところまで気を配っている。これにより、かつては薄い壁紙のように見えがちだったタイルやレンガ調は、より本物のイメージに近くなり、深みのある印象を演出できるようになっている。
最近の人気は天然石調だ。自然石をランダムに切り落として積んだような表面が、光を乱反射する商品の開発が進んでいる。

【図1】金属サイディングの形状
金属サイディングとは、成型・エンボス加工された金属板と裏打材によって構成された乾式工法の外壁材。アルミニウムの耐久性と亜鉛の犠牲防食作用を併せ持つ優れたガルバリウム鋼板が使われている。
長期間美観を維持する付加機能も
また、近年の傾向では、高機能な塗装を施したタイプも登場。安定性の高いフッ素を焼付塗装することで、色落ちが少なく、長期にわたり外観を美しく保つタイプ。耐候性に優れた特殊クリア塗膜により、太陽の紫外線を大きくシャットアウトし外壁塗膜の自然劣化、色あせを大幅に軽減するタイプなどがある。また「セルフクリーン機能」が付与され、汚れを寄せ付けにくく、なおかつ汚れが落ちやすいものもある。
各社とも個性的な新商品や新色を投入しており、経済性や機能面も合わせて提案することで、ニーズ喚起が期待できる。

【図2】金属サイディング市場の推移
寒冷地以外でも、施工しやすくシンプルモダンの住宅に合うことから、採用が増えてきた。東日本大震災の影響で、需要は一気に拡大している。また、高意匠の新商品や、高耐久の塗膜の商品の出荷量が増えている。

【施工例1】
石壁の表情と、金属の軽さを兼ね備えた壁。フッ素焼付塗装で、色落ちしにくい。(写真提供/ケイミュー)

【施工例2】
3Dの立体感を楽しめる壁。2色の塗装とデザインで、繊細な表現が可能になっている。(写真提供/アイジー工業)

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