瀬戸欣哉
代表執行役社長兼CEO
LIXILグループの2020年3月期決算発表会は異例の会見となった。瀬戸欣哉代表執行役社長兼CEOは前期の業績の振り返りより、新型コロナへの対策や自信のある商品群で積極的にリフォーム事業を強化する意気込みを語る展開となった。一部解説を加えながら、瀬戸氏のコメントを重点に同社の戦略をまとめた。
同社はまず新型コロナ感染拡大対策として「従業員や顧客、パートナーの安全と健康の確保」「事業の継続性」「手元の流動性の確保」の3つに取り組んだ。
2万5000人が在宅勤務
「3つの方針の中で安全と健康の確保を最重要と考えました。1月下旬にグローバルの対策チームを立ち上げ、3月2日までに本社勤務の50%、4月8日には98%の従業員の在宅勤務が実現しました。2万5000人という在宅勤務者の数は恐らく日本でも最大規模ではないかと思います」
「これだけ早く、スムーズに移行できた理由は、以前からデジタル化に力を入れていたため。もし昨年にコロナ問題が起きていたら、在宅でVPN(Virtual Private Network)に対応出来たのは1400~1500人程度だったでしょう。それがコロナの前にVPNだけでなく、EAA(Enterprise Application Access)なども用意していたので、すぐに対応できました。また今回、海外の従業員も含めて、一人あたり5万円を支給し、家庭での準備をしてもらいました」
会社の愛着10%超上昇
「今回、社内会議や、お客様へのご訪問や出張などを一切止めてZооmを活用しました。私自身、支社長、工場長、いろいろな海外の幹部と、毎日Zооmで20、30ミーティングしています。夕べもアメリカ、ヨーロッパ、アジアの拠点の皆さんと一緒に2時間、30人くらいのメンバーで活発な会議をしました」
「支社長も今まで自分が四国にいて1件、2件のお客さんのところに行くと、それで一日が終わった。ところが今はオンラインで、単純に流通だけでなく、ビルダー、また施主の方もまとめてZооmで会議ができると言っています。これはもう、元には戻らない」
「これから、恐らく40%くらいの方は事務所に行く必要があるかも知れないが、フレックスタイムなど柔軟な勤務を採用し、残りの方はずっと在宅勤務をしてもらってもかまわない」
「実はこの非常に厳しい勤務環境、コロナでみんなが怯えていた時期に、当社の従業員のエンゲージメントは10%以上改善しています。LIXILという会社が従業員から信頼され、従業員がやる気を出せば、さらに素晴らしいイノベーションが生まれる」

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