LIXIL、全館空調システムを6月発売 高性能住宅向けに特化

LIXIL（東京都品川区）は5月25日、都内で記者会見を行い、全館空調システム「エコエアFine」を販売すると発表した。参考価格は200万円程度（工事費込み）で、6月1日より北海道、沖縄、離島を除く全国で発売を開始する。

夏と冬で空気を取り込む場所を切り替える独自技術「循環切替システム」を搭載

同製品は、断熱等級6（HEAT20 G2レベル）以上の高性能住宅に特化した業界最小クラスの低容量（kw）・低風量（立米／h）を実現。冷たい空気は床に溜まるといった空気の特性を踏まえ、夏と冬で空気を取り込む場所を切り替える独自技術「循環切替システム」を搭載する。また、冷暖房負荷がオーバーしている空間に対して、適切な開口部の対策案を提案する「空調負荷診断」により、部屋間の温度差が少なく、1年中快適な住宅設計が可能となる。

本体は幅633mmと柱1本分のコンパクトサイズ。また、小口径ダクトも吹き出し口をつけるだけなので、空間デザインの自由度が高い。個別のエアコンは設置台数分の室外機が必要になるが、同製品は室外機も1台で済むため外観もすっきりする。メンテナンスでは、手の届く位置に換気・空調フィルターが設置されているため、ルームエアコンや天井面・高所設置の製品と比べて負担が少ない。

Housing Technology ZEH推進事業部の笠井達也事業部長は「高性能住宅を手掛ける工務店に提案する。新築住宅が対象だが、フルリノベーションであればリフォーム物件にも対応可能」と話す。

同社は、高断熱住宅向けの「スーパーウォール工法」をはじめ、余剰電力の売却収入を譲渡する代わりに太陽光発電システム代金が実質ゼロとなるソリューション「建て得」をホームビルダーに提供している。これらと全館空調システムを組み合わせることでZEHを推進していく。

「ZEH元年といわれる2030年には、全館空調市場のシェア10％を目指したい」（笠井事業部長）と、今後の展望を示した。