LIXILグループはこのほど、ドイツの住宅機器大手・グローエを、負債引き継ぎも含め、総額29億ユーロ強(約3800億円)で買収すると発表した。

記者会見したLIXILの藤森社長
海外売上高1兆円に弾み
日本政策投資銀行と共同で、50%ずつ議決権を持つ特別目的会社を設立、同社の主要株主である米投資ファンドから発行済株式の87.5%を買い取る。2014年前半には買収を完了し5年をめどに子会社化する。
グローエは、浴室・キッチン用水栓金具では欧州最大手企業で、2012年の売上高は14億ユーロ(約1800億円)。LIXILは買収により、グローエの高いブランド力、強力な販売チャンネルを手中にし、グローバル展開を一層加速する。今後は、海外売上高1兆円の目標の早期達成を目指すと同時に「1兆円の3割(3000億円)は、LIXILブランドの製品を売り上げたい」(藤森義明社長)としている。
LIXILは、伊・ペルマスティリーザ、米・アメリカンスタンダードと、一連の大型M&Aを展開しているが、藤森社長は今回のグローエ買収で「海外の大型買収は一段落する」と述べた。今回の買収はプラスと評価する見方がある一方で、①巨額の投資リスクと投資回収の可能性②はたしてシナジー効果が得られるのかー等の懸念も指摘されている。

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