≪シニア向けホームセキュリティーサービス≫
異常を感知したら即通報して、緊急対処員が急行し、住まいを守ってくれるホームセキュリティー・サービス。最近は、超高齢社会の進展を背景に、利用者宅の異常を早期発見するためのサービスをセキュリティ会社が開発し、従来のサービスに付加して販売を強化している。
不審者や火災で被害受けやすい高齢者世帯
一般に、ホームセキュリティー・サービスがカバーしているのは、「泥棒や不審者の侵入を感知し、警報を鳴らして通報する防犯機能」「火事やガス漏れを検知したら通報する火災防止機能」「不審者や予期せぬ事態に非常ボタンを押すと、緊急対処員が駆けつける非常通報機能」の3つ。これらの基本サービスに加えて、最近では、セキュリティ会社ならではのノウハウを生かした、高齢者向けサービスが注目を集めている。
背景には、急速な超高齢社会の進展がある。高齢者の1人暮らしや高齢者夫婦のみの世帯が増加。泥棒などの不審者が侵入したり、火災が発生した場合、とっさの行動に不安のある高齢者は通報ができなかったり、逃げ出すこともできなかったりと、被害に遭いやすい。また、突然の体調不良のとき、離れて暮らす家族に連絡ができずに病状を悪化させてしまう心配がある。
GPS機能でいつでもどこでも対応
ホームセキュリティー・サービスの市場シェアの8割を占める、業界最大手のセコムは、昨年4月から、高齢者向けの救急時対応サービス「マイドクタープラス」を開始した。
このサービスは、特に1人暮らしや、高齢者夫婦のみの世帯の救急時対応を支援するもの。高齢者の見守りの範囲を屋内だけでなく、屋外にも広げたサービスだ。携帯電話、GPS機能、通報機能を備えた専用端末を使用することで、利用者が急病やけがなどの救急時に、いつでもどこでも、救急通報をセコムに通報することができる。
高齢者のけがや急病に対応する「セコム・マイドクタープラス」の携帯端末
例えば、転倒して動けない利用者が専用端末のストラップを引っ張ると、セコムのコントロールセンターに信号が入り、管制員が通話で状況を確認。利用者の要請があれば、セコムの緊急対処員が自宅へ向かい、転倒対応などを行う。
また、より専門的な介護相談に対応するため、介護事業会社のニチイ学館、ツクイの2社と協業。在宅時に急に介護が必要になった場合などに、あらかじめ登録している介護事業会社に訪問要請し、利用者に必要な介護サービスを提供する。
体調がすぐれない時には、セコムのナースセンターの看護師に24時間いつでも相談できる
センサーで感知する「ライフ監視サービス」
センサーなどの技術を生かした、見守り支援サービスも充実している。セコムの「ライフ監視サービス」は、室内の人の動きをセンサーで感知し、一定の時間、動きが確認できない場合に異常と判断する機能だ。
利用者の生活動線のうち、トイレに行くのに必ず通る場所などをセンサーが監視し、異常と判断すると、自動的に異常信号をコントロールセンターに送る。センターは状況に応じて緊急対処員を急行させたり、119番通報したりする。
今後も、家族と離れて暮らす高齢者を支えるため、多様なセキュリティーサービスへのニーズが高まることが予想される。
95万5000件の実績
セコム コーポレート広報部長 安田 稔氏
刑法犯の認知件数は2002年の約285万件をピークに減少傾向にあり、10年後の2012年には約138万件と、半分以下に減りました。
しかし、不安感を持っている方は今も多く、当社の意識調査でも7割以上の方が不安を感じていると回答しています。
感じる不安の内容では「老後の生活」や「健康」が上位を占めています。当社のホームセキュリティ・サービスの契約件数は、昨年末で95万5000件の実績があります。
今後も、高齢者ご本人や離れて暮らすご家族に「安全で安心」なサービスを提供していきます

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