ミラノサローネで大好評"Kaledo-window"模型も再現
六本木にある東京ミッドタウン・デザインハブで5月31日~6月15日まで「窓学"WINSOWSCAPE"展~窓の研究プロセスからミラノサローネまで~」が開催された。
ウィンドウスケープは「窓景」を意味する造語
「窓学」は、窓を考える会社YKK APが行っている"窓に特化した独自の研究活動"を表す造語。同社は「窓は文明であり、文化である」という思想のもと、2007年から大学の学者や建築家等とともに窓に関する多角的な研究活動をはじめ、2013年にはさらなる活動推進のため「窓研究所」(山本絹子所長)も設立した。
今回は国内では初めて、同社と東京工業大学 塚本研究室との7年にわたる窓学の共同研究成果に新たなコンテンツを加えた企画展示となった。
展示コンテンツは「窓のふるまい学」「窓の街並学」「窓の系譜学」をテーマに、塚本研究室が行った世界約100都市で調査した窓の写真、図面、スケッチをフィールドワーク時のプロセスやエピソードとともに公開。窓の持ち主が笑顔で応じるスナップ写真や当地のお土産品等もあわせた展示には、世界の窓文化の奥深さとともに、窓からはじまる出会いを楽しむ若き研究者たちの素顔まで垣間見られるよう工夫されていた。
また今回の展示は、今年4月にイタリア・ミラノで行われた世界最大規模のデザインの祭典「ミラノサローネ」で発表した"WINSOWSCAPE"展の帰国展も兼ねている。ミラノサローネで多くの来場者を魅了した、建築家ユニット、アトリエ・ワンが設計した窓のインスタレーション(空間展示)"Kaledo-window"も、写真や模型、記録映像で再現された。
左下がアトリエ・ワン設計の模型
これは、約60もの鏡面仕上げの窓が芸術的に連なった中を通り抜けていくという体験型の作品。会場の再現模型の中を覗き見るだけでもその連続する不思議な光と輝きの回廊を感じることができるが、ミラノサローネでは、記念撮影をする通過者で大渋滞が生じたという。会場で流れる記録映像では、小さな子供から大人たちまでが、改めて感じた窓の魅力について興奮した表情で答えている。
ミラノサローネでは世界の美しい窓写真をポスターにして好きなものを持ち帰れるようにしたところ、人気のポスターから早々になくなってしまったというが、今回も一部再現。持ち帰った写真を部屋に貼れば、そこに新たな窓が生まれるというコンセプトだ。そのほか窓に関する講演やトークセッション、ワークショップも行われた。

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