YKK APが玄関リフォーム商品を刷新する。既設の引き戸を新しい引き戸に替えるタイプに加え、開きドアからドア、さらにドアから引き戸に替えるタイプも加えた"かんたん「ドアリモ」シリーズ"として4月20日から販売する。

20年前の一般的な玄関ドア(左)が、ドア上部にブラケット・レールを取り付ける独自のカバー工法で「アウトセット玄関引戸」(右)に生まれ変わる
"引き戸"需要に応えた新工法・新商品
"かんたん「ドアリモ」シリーズ"では昨年10月「玄関引戸」が販売されたが、今回「玄関ドア」と「アウトセット玄関引戸」で3アイテムが揃った。とくに「アウトセット玄関引戸」は"ドアを引き戸へ"簡易にリフォームできる業界初の商品となる。
「20年前の住宅の玄関は約75%が"開きドア"でした。しかし50~60歳代になってリフォームを考えた施主様からは"もっと玄関を大きく開けて使いたい""孫のベビーカー、親の車椅子への対応を考えたい"といったご要望がとても多い。そこで既設の"開きドア"から、開口スペースを広く確保できる"引き戸"に改修できる工法、商品を開発しました」(堀秀充社長)
すべての既存ドアに対応可能
既設の玄関ドアを引き戸に替えると1.2~1.3倍広い開口スペースを使えるようになり、利便性は大幅に高まる。だが、主なリフォーム対象となる築20年前後の住宅玄関は既設ドア枠が半外付けになっており、カバー工法によって新しいドア枠を取り付けるのが難しかった。今回同社が開発したアウトセットカバー工法では、外側に新しい引き戸枠を取り付け、上枠のブラケット・レールから固定をすることでその問題を解消した。
既設ドア枠(写真奥)の外側に新設の引戸枠(写真手前)を取り付ける、特許申請中の"アウトセットカバー工法"
また部材をセパレート化したことで、省施工とコストダウンを実現。1人施工でも1日で完成でき、同じデザイン・枠種なら、価格も全サイズワンプライスで提供する。
一方、開き戸タイプでは、新築ドアで好評の"次世代ドアキーシステムのスマートコントロールキー"を標準搭載し、6月からはより自由度が増す"電池式"の電子錠も選べる。同様に新築で採用されている"内開き通風機構"も親扉、子扉ともに設定が可能。通風の際に使用する網は、従来の6割まで細くした糸の表面を融着させた同社の"クリアネット"を標準採用。通風量は従来比20%アップし、子どもが押しても穴が広がりにくく汚れも付きにくいため、クリアな視界が長く維持できる。
初年度売り上げ30億円を目標
日本の住宅ストック戸数は約6000万戸あり、その半数の3000万戸が戸建て住宅、そのうち約1860万戸は築20年以上の"リフォーム適齢期"を迎えているという。同社はそうした住宅の多くが、無断熱で防犯性の低いアルミドアを使っていることに着目し、潜在的なリフォーム市場の開拓に注力する。
「これからは"壊れたからドアを替えよう"ではなく、"便利に、快適になるからドアを替えよう"という商品にしたいと思っています。現状の玄関を撮影して施工後のイメージを簡単シミュレーションできるシステムを開発しました」(窓・住宅商品企画グループ長・中谷卓也氏)
同社の玄関ドアは、現在年間150億円のうち7割が新築向けだが、今回の"かんたん「ドアリモ」シリーズ"だけで2015年度30億円の売り上げを目指す。

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