30年かけた働き方のルール
30年以上前から働き方改革に取り組み、国や県から優れた企業として表彰されているのが、足場リース業の拓新産業(福岡県福岡市)。残業時間は年間合計で1人2時間、有休消化率100%など、建設業界では類を見ないほど、健全な働き方を実践している。「無理に会社の成長を追わないことが大切」と語る、藤河次宏社長に、働き方改革の極意を聞いた。
経産省や福岡県などに優秀企業として多く表彰されてきた
採用きっかけに改革
同社の効率的な働き方、経営実態を示す数値を挙げればきりがない。残業、有休以外にも、休日出勤ゼロ、産休を取得する社員は毎年2、3人おり、介護休暇を取る社員も珍しくない。前期は最高益を記録し売り上げ8億円に対し、経常利益率はなんと14%。賞与は計6カ月分支給した。
社員は70人で、うち女性が3割ほど。終業時間の午後5時20分には一斉に帰宅し、残業の理由は就業前にかかってきた電話が終わらなかったから、といったものがほとんどだ。
同社がこのように取り組むきっかけになったのは、30年前の新卒採用。合同説明会の会場で、自社のブースに学生が一人も寄り付かなったというショッキングな出来事が起こった。

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