・マンション修繕業界の適正化について、須藤桂一氏に話を聞いた
・設計コンサルタントと施工会社がリベートの形を作ったことが元凶
・内部告発などによって何社かをつるし上げることが適正化へのカギ
設計コンサル、悪質な業者も
不適切な取引の横行が、多くのメディアで問題が取り上げられているマンションの大規模修繕業界。設計コンサルティングの業界団体が設立され、業界の適正化に向けて動き始めたかのように見えるが、それは果たして実現するのだろうか。自らも設計コンサルタント会社を経営し、3年ほど前から様々なメディアを通じて業界の問題についての情報を発信してきたシーアイピー(東京都中央区)の須藤桂一社長に話を聞いた。
管理組合に見えない所で金銭のやり取りが
3400万円多く払うケースも
「設計コンサルタントと施工会社が談合し、リベートのやりとりを行って利益をあげるという形を作り上げたのは、ある大手の管理会社と設計コンサルタント。1990年代に始まり、2000年になって急激に広まりました。通常の設計業務では、あまり稼ぎにならないことに不満があったのだと思います」と、須藤社長は指摘する。
これは、マンション大規模修繕業界における不適切な取引のメジャーな形の1つ。設計コンサルタントが設計・監理業務を受注する際に、不当に安い価格で受注した後、施工業者からリベートを受け取ることで利益を補てんする仕組みだ。
こうしたグレーな商慣習によって、大規模修繕の費用が膨れ上がってしまうというケースが実際に頻発している。設計管理業務を格安で委託できるものの、施工会社からはリベート費用込みの工事費用を求められるため、結果的に合計金額は割高になってしまうからだ。

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