北海道で太陽光発電の設置が進まない大きな要因となっていた"無落雪屋根"にパネルを設置できる北海道エコエネルギー技術協会(北海道札幌市)の「北海道エコエネ工法」が話題を呼んでいる。約1年間で、同工法による設置数は300戸を超えており、今後道内の太陽光普及を大きく後押ししていきそうだ。

▲PVレール設置のイメージ
北海道の太陽光発電システム普及率は全国平均の3.6%に対し0.7%と約5分の1にとどまっている。それは多雪地域に多い無落雪屋根には強度などの問題から太陽光を今まで設置できなかったためだ。この無落雪屋根とは文字通り、雪を落とさないように、通常とは逆に中央に向かって勾配が付いている屋根※図1。北海道の最大都市である札幌は約8割の住宅がこの屋根を採用している。
「北海道での太陽光普及のために、カーポートや壁につけるなど今までいろいろな試みをしました。ただ、最終的には無落雪屋根の問題を解決しないと設置が進みません。それで新工法の開発に取り組みました」(秋山信介副理事長)
同工法は基礎となる補強架台「PVレール」をつくり、その上に架台を設置する工法だ。施工に必要な専門知識は、毎月講習会を2回行い、技術者(施工士・監理士)の育成を行っている。
ただ、同工法では通常の太陽光設置と比較し、どうしても設置コストが高くなるデメリットがある。そこで昨年度、積雪対策工事等でJ-PECから1kw当たり5.5万円の補助控除枠を獲得。つまり、通常国の補助対象となるためには材工60万円(1kw)以下にする必要があるが、同工法では65.5万円(1kw)以下で補助が下りる。また、リフォーム瑕疵担保保険の対象となっているため、万が一の際にも安心して設置が可能だ。
「今期はPVレールの施工精度を上げ、技術の向上を図りたいと考えています」(秋山副理事長)
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