太陽光発電システムの設計・施工を手掛けるオルテナジー(東京都小平市)は、屋根に穴を開けない施工を"武器"に受注数を伸ばしている。

▲屋根に穴を開けない 「シンプル・レイ」工法の仕組み
同工法は縦部材、横部材、屋根の頭頂部でそれらを接合する金属を組み合わせ、面構造の架台を作る。この架台を屋根面に帽子のようにかぶせて、ステンレスワイヤーで軒板部に固定し、その上にパネルを設置していく。屋根に穴を開けて留めつけない。
雨漏りの不安を解消した提案で成功
一般的に普及している太陽光発電システムの工法は、屋根に穴を開けてパネルを取り付ける金具を設置し、その上にパネルを設置していく。しかし、同社が推進している工法は屋根の上に鋼材で架台を組んで、太陽光パネルを載せるという工法を採用している。同社では屋根の上に土台を横たえるという意味を込めて「シンプル・レイ工法」と呼んでいる。
架台は屋根にバランスをとって載せるだけなので穴を開けない。これにより太陽光を搭載したことで雨漏りが起きるリスクを減少させることができる。これが同社の差別化戦略だ。「一般的な施工よりも手間が掛かるので若干コストは高くなりますが、『安心感がある』という理由でご契約いただける方が増えています」(高橋眞剛社長)。現在は同ノウハウを他の事業者にも提供し、全体で月間30~40件の受注につながっている。
またもうひとつの売りが「架台拡張工法」。架台を拡張することで、従来の工法よりも多くのパネルを載せることができるというものだ。実際の事例では14枚しか搭載できなかったものが70%増の24枚搭載できたこともある。「小さい家なので多く載せることを諦めていた人からは大変喜ばれます。1~2割の方がこれを選択されます」。
同社の年商は4億円(決算期10月)。22名体制(営業5名、設計・施工管理9名。その他職人など)。今年は問い合わせも多く、売上高は6~7億円の見込み。「今、太陽光マーケットではパネルで差別化できない。同じ商品を取り扱わざるを得なく価格競争に陥ってしまいます。差別化できるのは設置技術」。

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