約21万戸の古民家を再利用
全国各地の古民家の解体で出る古材。4000本という日本最大級のストック数を誇る店舗デザイン施工会社が山翠舎(長野県長野市)だ。同社では古材を独自の名称「古木」と名付けブランド化、集客につなげている。今後は「古木」を軸に全国ネットワークを広げていくという山上浩明社長に、話を聞いた。
「古木」で全方よしを進めていきたいと語る山上浩明社長
ストーリーが特徴
「古木とは、基本的に戦前に建てられた家屋の木材で所在が明らかな材を指します。つまり、どこの家から来た古木かを明記しているのです。出自が分かるものにはストーリー性が生まれます」(山上社長)
2006年から収集した同社の古木のストックは4000本に及ぶ。古民家に換算して約50軒相当で、現在も増え続けている。通常、古民家の解体には300万円ほどかかるが、使える材を山翠舎が買い取り、家屋所有者の解体コスト削減するスキームで古木を集めてきた。2009年からは自社で設計体制を構築。飲食店を中心とした店舗の設計・施工は、月5店舗のペースで行う。飲食店の設計・施工に積極的なのは、壁・床・天井以外に必ず水まわりや什器家具を備えるため、坪単価が高いからだ。現在の年間売り上げは6億円にのぼる。

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