リフォームとリサイクルの店舗を経営するわくわくドッカーン本舗(和歌山県新宮市)では、リフォーム工事の一環として「熊野の川原家(かわらや)」の製造販売に力を入れている。

▲「熊野の川原家」設置の様子。6畳タイプと4畳半タイプの2種を用意
川原家は"川原に建てた家"の意味で、奈良時代末期に「新宮川の川原に11軒建った」との記述も残っている。その後、江戸から昭和初期にかけて折り畳み式の小住宅(8畳間が標準)として同所に300軒近くも建てられ、酒屋、雑貨屋、鍛冶屋、飯屋などとして賑わったという。
同社ではこの川原家を復活させ、現代風にアレンジした。具体的には折り畳みではなく、車に乗せて移動・運搬設置ができるよう改良を施している。市販モデルは4畳半タイプ(39万8000円~)と6畳タイプ(49万8000円~)の2種で、オプションとして中窓、小窓をつけたり、室内を二重張りにもできる。屋台や離れの子供部屋、書斎や趣味の部屋に適するほか、最近では地震や津波、水害などに備えて避難小屋としての需要も増えているようだ。
同社では自社店舗でモデル展示を行うほか、様々なイベント会場での展示販売にも力を入れている。同社の大村輝雄社長は「当地方独自に発達した熊野の川原家が、過去の歴史の中に埋没してしまうことがないよう、本気で取り組みたい。木材業者や大工職人の皆さんの事業の拡大、雇用促進にも一役買いたい」と話している。
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