【特集:リフォーム業界トレンド】#01 テクノロジー活用
AIを搭載したスマートスピーカーに、VRによる疑似旅行、ドローンを用いた宅配サービス、さまざまな技術の進化がサービスの在り方やライフスタイルを目まぐるしく変えている。こうしたテクノロジー活用の波は、リフォーム業界にも押し寄せてきている。今回は提案におけるテクノロジー活用を進めている3社の取り組みを紹介する。
◆安江工務店
8万件の施工実績をAIが学習
リフォームで年間33億6000万円を売り上げる安江工務店(愛知県名古屋市)は、リノベーションのプランを作成するAI「RRAI(ダブルアールアイ)」を開発。中古戸建て住宅のリノベーション専門ブランド「リノする!」の立ち上げとともに、今年1月6日から試験的にサービス提供を開始した。
プランの3Dパースも自動で作成
これは、入力したユーザー情報をもとに、中古戸建て住宅のリノベーションのプランを自動で作成するAI。これまでに受注した累計8万3000件に上るリフォームをはじめ、中古住宅の仲介や新築などで得たデータを学習させた。導入後も新たな案件に関する情報を読み込ませることで、提案の精度向上を図っていく。
必要な項目は4つ。1つ目はリノベーションを施す物件の情報。具体的には、間取りや専有面積、販売価格、設備、築年数など。マイソクに記載されている基本的な情報で十分なので、現地調査は必要なく、購入を検討している段階でも利用することができる。2つ目は資金計画。月々のローン支払いの希望額や自己資金といった情報だ。
3つ目はテイスト。「モダン」や「フレンチ」など、ベースとなるデザインテイストを同社があらかじめ4、5個用意。その中からユーザーの希望に近いものを選択する。4つ目はオプション。例えば、「広めのLDK」やアイランド型のキッチン、窓のスペック、床暖房の有無、クロスの種類、照明の種類など、ユーザーのこだわりを実現するためのさまざまな仕様を追加することができる。
必要な情報を入力すると、各ユーザーにマッチしたリノベーションプランをAIが瞬時に作成。月々の支払い額を含むローンシミュレーションやプランの間取り図、3Dパースを自動で出力してくれる。このローンシミュレーションは、物件の購入費用やリノベーション費用、諸経費を踏まえており、そのままローンの申請に使うことができる。不動産会社への物件購入の打診をいち早く行えるため、ユーザーが希望物件を購入できる確率が高まるという点もポイントだ。
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