リフォーム業界の実態を明らかにする企画。今回のテーマは「代金回収」。各社どのように代金を回収しているのか、6社に調査した。
《質問項目》
(1)リフォーム売上高
(2)平均単価
(3)リフォームの工事代金をお客さんから、いつのタイミングで、いくら(工事代金の何割)の請求を出しているのか
(4)支払い方法の種類
(5)請求書は郵送?持参?
(6)入金されたかどうか、経営者はどう経理と連携して管理しているのか?
林工務店
クレジットカード決済を推進、「値引き交渉されない」効果あり
リフォーム売上高1億6800万円の林工務店(兵庫県加古郡)は、前期に発行した請求書のうち、現金払いが150件、銀行振り込みが141件、クレジットカード払いが17件、ローン払いが7件になった。全体の5%と少ないが、現在クレジットカード決済を推進している。
同社では、9割を占める300万円以下の工事の際、完工後に全額を請求している。単価が低い工事は約1週間以内で工事が終わり、まとめて支払う方が顧客側も回収する営業マンも手間がかからないためだ。300万円を超え約1カ月以上かかる工事は、契約時に工事代金の1~3割を払ってもらう。
現金払いや銀行振り込みの場合、価格を下げたいなど交渉をしてくる顧客も少なくない。だがクレジットカード決済は、ポイントが付いたり、支払いがスムーズだったりメリットも多いと感じるのか、値引きの話になることはほとんどない。「端末を使っているSTORESに、手数料を2.95%支払います。しかし値引き交渉に応じている方が粗利は下がってしまい、手間や時間もかかってしまう。関西は現金文化が根強いですが、今後クレジットカード決済を全体の40%までを増やしたい」と林友宏社長は語る。
契約をする時点で、クレジットカード決済やローン決済も対応できることを伝え、検討してもらうよう工夫している。「この代金をクレジットカードで払うと、Tポイントがかなりつきますよ」など顧客側のメリットを詳しく話すよう重視。
また店舗の入り口には、「クレジットカード対応」のステッカーを貼っている。ホームページにも、クレジットカードやローンが組めることを掲載。VISA、セゾンカード、UC、マスターカードなどに対応している。
カード決済を導入したのは、5年ほど前だ。「リフォームでクレジットカードが使えると知らなかった」と驚かれることもあり、年々増加している。過去にはカードを使えると知ったからこそ問い合わせをしてくれ、受注に繋がったこともあった。
同社では工事後に請求書を渡すとき、郵送ではなく直接手渡すことがほとんどだ。請求書と共にアンケート用紙を渡し、協力してもらうようお願いするためだ。「LIXILリフォームショップに加盟しており、集めたアンケートの結果を本部が点数化し、お客さま満足度評価点として公開しています。5点満点のうち全店の平均は4.2ですが、4.3を目指しています。点数を高めるには、多くの方に答えていただく必要があります。満足度が高いことで、この会社には値引きをするのは失礼ではないかなど信頼性を高められ、将来的に円滑な代金回収に繋がると考えています」(林社長)
ホームページ内で、クレジットカードの決済について説明
(1)1億6800万円
(2)約60万円
(3)ほとんどが完工時に100%、300万円を超え1カ月以上かかる場合は契約時に代金の10~30%を支払ってもらう
(4)前期は、現金払いが48%、振込が45%、クレジット決済が5%、ローン決済が2%
(5)基本的には持参
(6)非公表
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