創業106年の大野建設(埼玉県行田市)が展開しているフルリフォームパック「まるで新築くん」が好調に推移している。現在、同社のリフォーム売上高は5億円弱だが、うち2億円程度が「まるで新築くん」に相当する500万円以上の大型リフォームとなり、年間で40件近くを手掛けていることとなる。フルリフォームパックをうたいながらも、必要と予算に応じたリフォーム提案を行うことで、工事単価が1000万円を切るケースも多い。
大野哲也住宅・リフォーム事業部部長は「リフォーム専門の技術者が直接お話を伺い、プロとして本当に必要な工事を行います。私たちの売り上げの面からみれば、工事範囲の大きいリフォームを売り込む方がいいのでしょうが、それは正しいリフォームとは言えません。常にお客様の立場に立って、必要な範囲でご満足いただけるリフォームを提案することが地元工務店の役目だと思います」話す。
また、同社ではOB客のアフターサービスの一環としてカスタマーサポート部を昨年新設した。クレームや修繕の対応を365日・24時間体制で受け付ける取り組みは既に10年前から行っているが、これに加え
アフターフォロースタッフ を専任で2名配置し、同社が持つ新築OB約2500名のうち、新築5年以上の2000名近い顧客に対し、年に1回のペースで訪問している。住まいの困り事を聞くだけではなく、新しいサービスなどの提案も積極的に行い、「受注につながるケースもかなり多い」(大野部長)という。
同社のリフォーム受注は今までOB客が約9割を占めていたが、最近では「まるで新築くん」の見学会を多く開催したり、チラシをまくなどして新規獲得にも力を入れている。大野部長は「新規客は全体の2割程度まで増えました。紹介や見学会からのお客さまも多いのですが、ここで1つ重要なのは 以前に新築やリフォームをしてもらった会社がつぶれていたり、アフター対応がよくなかったり といったお客さんが少なからずいらっしゃることです。そうすると一体どこにリフォームを頼めばいいのか分からない。こういうときにこそ地元工務店の存在意義が問われると思います」と話している。

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