顧客リストを温めることでコロナ禍を乗り越えろ。こんなメッセージを込めた単行本『「顧客消滅」時代のマーケティング』(小阪裕司氏著)が好評を博している。激動の時代、「生き残り」を賭けて中小企業が進むべき道とは。著者に話を聞いた。
【リポート/編集部 芦原拓】
オラクルひと・しくみ研究所 代表
博士(情報学)小阪裕司 氏
人の「感性と行動の科学」を基にしたビジネス理論と実践手法(ワクワク系)を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県・海外から約1500社が集う。近著『「顧客消滅」時代のマーケティング』(PHP研究所)が5刷2万部を超え、アマゾンのジャンル別ランキングで1位を獲得するなど好評を博す。
アフターコロナ見据え、接触回数を増やす
「コロナ後を勝ち残っていくためには、ファンを獲得することが大事」と、市場分析の専門家である小阪氏は語る。リピート率を高め、紹介による新規顧客の獲得を目指すのは中小企業の定石だが、そのためには「顧客リストを温める」必要がある。求められるのは、リストに名のある顧客と、少しでも接触回数を増やすこと。例えば、ハガキを出す、SNSでコンタクトを取るなど、小さなことから始めてもいい。「自社の顧客を大事にする、という部分は自明の理のはずが、実際に顧客リストを『戦略的に』活用しているところは少ない」と小阪氏は説く。
手間と費用がかかるのが理由だ。ハガキを出しても、反応はまばら。直接的な売り上げ増につながらないため、「意味がない」と考える会社も多い。だが、小阪氏はその考えを否定する。「費用対効果が得られるだろうか、と天秤にかけたらチラシのばらまきになる。その場合は、価格競争に足を踏み入れることになります」
長い年月をかけて接触回数を増やしていくことに意味がある。
「見込みのあるお客様全員にコツコツと手紙を出していけば、既存のお客様からの紹介も増えて、やがて億単位の売り上げになるでしょう」
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