リノベーションを提案する際、確実に受注するにはどのような取り組みが必要か。実際に採用している対策を、2社の事例から解説する。
(1) 浅井良工務店
契約前にプラン料支払い
「リノベーションでは、請負契約の前に有料でプランを申し込むフローを設けました。事前に約10万円ほどいただき設計に取り掛かります」と話すのは、浅井良工務店(和歌山県和歌山市)で営業を担当する御前慎太郎氏だ。
同社のリフォーム事業は前期で年間約2億3000万円を売り上げた。強みは、自社で診断も行う耐震改修と、内窓や断熱材などを用いた断熱改修だ。ボリュームゾーンは500万〜900万円。1000万円台の性能向上リノベーションの受注率を上げたいと、事前にプラン料を支払うルールを社内で統一した。
その理由は、プランの作成後の失注を防ぐため。設計の際は、住宅内のエネルギーや日照のシミュレーションを実施。算出したデータを基に、パッシブデザインの設計手法も取り入れCADや3Dソフト「スケッチアップ」を使用したパースを作成する。
浅井良工務店のパースはパッシブデザインを取り入れる
さらに耐震改修では、耐震補強計画ソフト「ホームズ君」も使用。プランニングにはより時間や手間がかかる。「請負契約は『結婚』、プラン申し込みは『婚約』のイメージです。契約前に費用が発生しても抵抗感なく進むには、事前に信頼関係の構築が重要になる」と御前氏は話す。

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