主要な設備・建材メーカーの最新決算をまとめた。売上高が前の期と比較して、増収した企業は87%と好調だった。前回調査に比べて13ポイント上昇した。一方で、営業利益が増益となったのは49%と、前回調査に比べて8ポイント悪化した。
平均8%増収
本紙では毎年、主要な設備・建材メーカーの売上高を調査し、ランキング順で公表している。今回の調査は2022年6月から2023年5月の間の各社の決算数値をまとめた。
売上高は前期に比べて好調だった企業が多い。前年比がわかる企業77社のうち、87%にあたる67社が増収だった。一方で減収した企業は10社で、全体の13%。伸び率の平均は約8%増。前回調査比で約2ポイント改善した。
一方で営業利益はマイナスとなった企業が過半数を超えた。前年比がわかる45社のうち、増益企業は22社で49%。減益が23社で51%。平均伸び率は25%増で、前回より6ポイント悪化。
メーカーの目下の課題は材料や物流の高騰。各社からは以下のような声が上がる。「資材高に価格転嫁が追いつかない」(LIXIL)、「原材料等のコストアップの影響が大きく、売価転嫁を進めたものの吸収するには至らず減益」(大建工業)。価格を改定しても、さらに原価が上がり収益が悪化するという状況だ。
窓需要に期待
売上高のトップはLIXIL(東京都品川区)だった。4.7%増の1兆4959億円。利益は6割減の257億円。原材料や物流費の高騰で価格転嫁することで売上は伸びたが、転嫁分以上に原価が急上昇したことで減益に。
今期はコスト増加分に即した価格の適正化を行い収益性を改善する方針。2024年3月期は売上高1兆5300億円、営業利益(事業利益)400億円を計画。国内では補助金の「先進的窓リノベ事業」で注目される断熱リフォーム需要の高まりを見込む。
2位は日本ペイントホールディングス(東京都中央区)で8275億円。36.3%増収となったのは、欧州で建築塗装の開発・販売を行うCromology(クロモロジー・仏)の子会社化。
3位はTOTO(福岡県北九州市)で売上高は7011億円だった。売上は8.7%増収だが、営業利益は5.9%減。銅、樹脂、鋼板といった材料や物流費の高騰が影響した。なお、国内のリフォーム領域での売上は3160億円と6%増だったが、上記要因により営業利益は9%マイナスとなっている。
今期は売上高7380億円、営業利益530億円を計画。
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