OKUTA(埼玉県さいたま市)が断熱材の自社生産に乗り出した。同社は6月26日、自社工場に導入したセルロースファイバー断熱材製造機を公開。記念式典に関係者ら約40名が参加した。
自社工場に断熱材製造機を導入
式の当日は製造実演が行われた。製造工程は、まずセルロースファイバーの原料となる新聞紙を名刺サイズ程度に破砕。その後、防炎、防虫効果のあるほう酸、ほう砂という薬品を加える。それから、新聞紙をすりつぶしサイクロンタンクに入れる。薬品を攪拌した後に圧縮、梱包され完成となる。1袋15キロの断熱材は5~10分で完成した。1日では2t半~3tの生産が可能。自社のリフォームに使用するだけでなく、業者への卸販売も行う。
さらに式典では、職人による吹き込み施工実験や燃焼実験も実施。燃焼実験では、発泡ウレタンやグラスウール、自社開発のセルロースファイバーなど、4種の断熱材を同時に燃焼。最も燃えにくかったのは同社の断熱材だった。「新聞紙が原料というと紙だから燃えやすいというイメージがあるが、他の断熱素材に比べて燃えにくい」(丸山晃司取締役常務)。
OKUTAでは2005年よりセルロースファイバー断熱材を使ったリフォームを展開。商品を取り寄せるための輸送コストを抑えるために今回地産地消での断熱材製造を開始した。
奥田勇会長はこう話す。「今、北欧・ドイツのパッシブデザインの考え方を取り入れたリフォームを推進しています。そこで欠かせないのがセルロース断熱。これは断熱の王様。調湿効果があり、燃えにくい。価格は高いけど、パッシブデザインに一番適しており、普及させていきたい」

最新記事
この記事を読んだ方へのおすすめ
-
WEB限定記事(2025/07/03更新)
-
1654号(2025/06/23発行)25面
-
1654号(2025/06/23発行)31面
-
1654号(2025/06/23発行)21面
-
1654号(2025/06/23発行)21面