「今こそ地元の工務店が復興の責任を果たさなければならない」と力強く話すのは、ヒノケン(宮城県石巻市)の日野節夫社長。日野氏は有力工務店46社を結集して、石巻市地元工務店協同組合を10月2日に設立した。
「設立の狙いは、戸建てタイプ復興公営住宅の約700戸の一括受注にあります。現在、市や県による復興公営住宅の建設計画が進められています。しかし、地元工務店1社ごとでは企業規模が小さく、受注することが非常に難しいため、組合として住宅を受注し、組合各社で工事を分担していきたいと考えています」(日野氏)。
政府は現在、仮設住宅の入居期限を平成27年3月としており、退去期限は1年半後に迫っている。退去後、被災者は自力再建した住宅か県や石巻市が建設した公営の賃貸住宅のどちらかで居住を選択することになる。
こうした中、石巻市は9月17日に、市で最初の復興公営住宅の募集を開始した。募集戸数は105戸。来年2月1日から入居開始の予定だ。
建設が始まった借り上げ型の復興公営住宅。6階建てのRC構造。
市が民間業者から20年間一括で借り上げて、被災者に供給する。9月17日に募集が開始された。
今後、抽選を経て、2月1日から入居開始が予定されている。
石巻市では、今後約4100戸分の住宅用地造成と4000戸の復興公営住宅の建設を計画している。公営住宅として現在工程目標に挙がっているのは78地区の約2800戸。集合住宅タイプが約2140戸、戸建てタイプが約700戸だ。この戸建てタイプの復興住宅受注のため、今、地元工務店は市に掛け合いながら奮闘している。
「震災以後、地元工務店は自社のOB客のリフォーム注文に手いっぱいで、自力再建を目指すお客様に目を向けられなかった。そのため、地元の要望に応えられなかった」(日野氏)
組合の設立により、材料の共同購入や複数社間の職人の融通で、住宅の建設費用を大きく削減できるという。「今後は組合として、自力再建を目指す消費者の住宅供給にも力を入れていきます」(日野氏)

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