コニージャパン(大阪府大阪市)が展開する水まわりリフォーム専門店「リフォーる」が好調だ。昨年7月に大阪府堺市に出した1号店は、地域のプライスリーダーとなる価格帯としながら、38~39%の高粗利を実現。期中の出店にもかかわらず初年度黒字化(4月決算)、年間売上計画3億円の達成も見えている。2号店も同じ堺市に5月オープン。3号店も大阪市阿倍野区への出店を構想中だ。赤石幸彦取締役本部長が「今期10店舗を出したい」と話すビジネスモデルの中身を探った。
今期10店舗出店の構想
「リフォーる」は、水まわり商材に取り扱いを絞ったリフォーム店。キッチン、バスのほか、レンジフードやコンロといった商材も扱う。
「リフォーるの利用者の7割がリフォーム未経験者なのです」と赤石取締役。同社が元々展開するショップ「スペースアップ」では、リフォーム未経験者は約2割であったため、いかに需要の掘り起こしができているかが分かる。
赤石取締役は、エンドユーザーがリフォームをしない大きな理由として「支払える金額ではない」「価格相場が分からない」という2点を挙げる。リフォーるでは、どんな小さな工事でも喜んで行う体制とし、不明瞭な価格帯の明瞭化に取り組んだ。
「小工事もOK、価格も明瞭に」の体制を構築
チラシを見ると、商品価格はもちろんのこと、キッチンなら20万円(税別)、バスなら18万円(税別)と商材ごとの工事価格を明示。また、「追加料金一切なし」とし、工期も○日と掲載してある。
加えて、レンジフードや水栓金具など低価格商品を売り出し、リフォームを行う上での壁を取り除いた。
平均工事単価は、30~40万円。商品別の某月の販売状況は、2店舗でキッチン18台、バス17台、トイレ20台、給湯22台、洗面13台、レンジフード20台。集客はすべてチラシとし、B4サイズで折り込み・印刷費用は1枚約3.5円。当初は3000分の1の反響があったが、現状は4000~5000分の1となっている。
「女性営業で月20件の契約を結ぶものもいます」と赤石取締役。若手を中心としたスタッフ体制をとるが、反響に対する契約率が7割と高いことも特徴だ。当然、工事件数が増え、OB客数はどんどん増加していく。
スペースアップでは1店舗OB客1000件に達成するのに3年かかったのに対し、リフォーるは1.5年。1年たたずに売り上げに占めるOB客の割合が2割に増加した。
ただ、これだけの成功を収めているが、実験段階の部分も多い。例えば出店コストを改装費で500万円に抑えたいが、そこまでは到達していない。また、郊外出店でも同様の成功を収められるかは、未知数の状況だ。
赤石取締役は「今後は、同様のビジネスモデルが増え、業界の発展につながれば」と話し、FC展開も視野に入れる。同FCは自社社員が独立する器としてのほか、同業他社への提供も考える。理想は、コンビニのように気軽にリフォームを提供する文化の創出だ。
同社の前期リフォーム売上高は55億9000万円。今期は65億円を計画する。

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