設立4年で年間4億6000万円を売り上げているのがエンラージ八王子(東京都八王子市)だ。全面改装に特化した独自のビジネスモデルで拡大している。石井誠社長に他社と差別化して売り上げを伸ばしてきた経営戦略について聞いた。

本社・八王子店はモデルルームとして活用。ネット依頼が急増し、店舗数を増やしている
リノベに商機
リフォームの平均単価は300万円―――。エンラージ八王子の特徴はこの単価の高さ。
同社ではリノベーションしたいユーザーにターゲットを設定。もちろん、リペア、リニューアルのような小型・単品工事も手掛けるが、第一に狙うのはこの大型工事だ。
リノべだけに絞れば受注のボリュームゾーンは500万~1000万円。競争の多いリペア、リニューアル市場で戦わず、大型工事に集中すること、これが短期間で売り上げを伸ばした要因の1つだ。
メーンターゲットは60代の夫婦。特に、新築を建ててから30年くらいが経過し、子供部屋が空き、家を建て替えようか、リノベーションしようか悩みを抱えているユーザー。同社ではこれらの層に建て替えよりも割安感のあるリノベーションを提案することで受注を促進している。
「建て替えれば2000万円近くかかるところが、リノベーションならそこまでかからない。例えば1000万円かけても半額。このように提案するとリノベーションを選ぶ方が多いです」(石井社長)
依頼主は60代が7割で、残り3割は30代。この若い一次取得者がもう1つのターゲット。彼らのニーズは、中古住宅を購入して全面改装して住みたいというもの。同社では今年から、物件探しのサポート・売買契約を行う不動産業もスタートし始めた。
ネットで3億円稼ぐ
集客はネット。成約した案件のうち7~8割がネット経由で、3億円以上を売り上げている。特に問い合わせが多いのはマッチングサイト経由。
具体的には、ユーザーが匿名で見積もり依頼できる「ホームプロ」と「ホームズリフォーム」。ちなみに、ホームプロ経由の平均受注単価は520万円。同サイト経由では月間50件くらいの案件に応札し、5~6件が成約し ている。

エンラージ八王子のビジネスモデル
施工事例の数が強み
サイト内でもリペア・リニューアル案件にはあまり手を出さず、得意分野である高額な案件に絞って対応する。「相見積もりは3~4社ありますが、高額な案件に絞ったリフォーム会社は少ない。圧倒的な数の施工事例写真を見せて提案できることが強み。実際に会って商談に入った場合の成約率は8割くらいです」(同社長)
有資格者の女性が提案
大型工事の見積もり、設計、施工管理は、リペア・リフォームに比べて難易度が高い。そのため同社では営業を行うセールスエンジニアは全て有資格者。1級・2級建築士、インテリアコーディネーターなどの資格取得者が多い。技術的な問題解決能力を持った社員だけがセールス担当になれる。
さらに、セールスの12人中10人が女性だ。「奥さんとお話しする際に女性だと話が通じやすい。メールのやり取りもとてもマメで非常に好評です」(同社長)。また、施工管理は6人。たいていの場合、1案件に2人のセールスエンジニアと施工管理1人の3人チームで対応している。
同社では今年4月に、3店舗目を開設。ネットでの集客数が増えるごとに、 店舗網を広げていく方針だ。今期は各店舗2億円ずつを売り上げ、年商6億円を目指す。
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