福岡のビルダー、エコワークス(福岡県福岡市)は、性能向上・省エネリフォームを本格化する。先ごろ、同社の「低炭素住宅化リフォーム推進プロジェクト」が、国交省の平成26年度第一回住宅・建築物省CO2先導事業に戸建住宅部門としては唯一採択された。採択をきっかけにほぼゼロの状態から5年後に10億円事業への成長を狙う。
戸建住宅部門で唯一の採択
同社は平成24年に地球温暖化防止活動環境大臣表彰を受賞したほか、熊本県初の低炭素住宅認定を取得。エコ住宅への取り組みを推進してきた。危機的な世界の環境問題が浮上している中、住宅における低炭素化を進めることが目的だ。
「これだけエネルギー事情が変わり、温暖化問題も危機的な状況。そうした中で未来に対して今の世代が考えるべきことがあると思います。住まいの投資、リフォームをしたいというお客様をつくっていきたいし、また、共感される方を増やすのがエコワークスのミッションです」(小山貴史社長)
このたびの「低炭素住宅化リフォーム推進プロジェクト」は、新築で始まっている低炭素住宅認定の数字を既存住宅でもクリアする改修内容となる。スタートした長期優良住宅化リフォームの延長線上に既存住宅の低炭素住宅認定があると見据え、先導的なモデルを構築した。
具体的には、改修前の診断により住宅のエネルギー状況を見える化。改修後にも環境省の「うちエコ診断」と「CASBEE健康チェックリスト」を活用した診断を行い、省エネ性及び健康面での効果を明らかにする。
リフォーム費用は1000~2000万円ほどのフルリノベーションを想定。断熱材やサッシ等の材料と工事費が補助され、限度額は150万円。平成26年から28年の3年間で25戸の受注を目指す。
「2020年の省エネ基準ですら、さらに段階的な引き上げが検討されている中、10年後、20年後、30年後も不適格にならないレベルに断熱・省エネの予算を出しましょうという考え方です。よく、冬寒いのは北海道ではなく九州といわれますが、実際九州の方が住宅内の冬の死亡率が高い。もとが取れる取れないではなく、未来のための予算をかけて住み続ける文化を創出していきたいと考えています」(小山社長)
現在、同社の売上高は15億9000万円(2014年9月期)。リフォーム事業は受注ベースで1億5000万円。今後は熊本、福岡に中古住宅を改修した低炭素住宅化リフォームのモデルハウス新設を計画している。

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