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夏水組、壁紙選びも服を選ぶ感覚で女性人気を集めるリノベ

夏水組、壁紙選びも服を選ぶ感覚で 女性人気を集めるリノベ

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 リノベーションの設計・デザインの分野で今人気を集めているのが夏水組(なつみくみ、東京都杉並区)だ。カラフルで奇抜な柄物の壁紙や、アンティーク風の個性的なインテリアを組み合わせて作られる空間づくりが女性に人気。デザイナーである坂田夏水代表に、女性に支持されるプランニングのポイントを聞いた。

夏水組

派手・柄物が主役

 他社では提案しない派手で個性的な壁紙を大胆に取り入れるのが夏水組らしさ。提案方法は「とにかく数多くの種類を見せて、その中からお気に入りの1 枚を選んでもらう」というのが坂田流だ。

 事務所には、国産、海外ブランド問わずに1000種ほどのサンプルを用意。サンプルはユーザーが選びやすいように、テイストごと、15種類に編集。「ガーリー」「エレガント」「ダンディ」「クール」「和モダン」といった名前が付いたファイルを用意し、そのテイストに合う壁紙が収録されている。

 例えば「ガーリー」であれば、ピンク系のものが多い。それぞれのテイストごとに50サンプルほどあり、これらをユーザーと一緒になって"見まくる"のだという。

 特に海外の輸入壁紙はどれも個性的な色・柄が多く、「こんな柄があることを知らなかった!」と驚く利用者も多い。一般的なリフォーム会社では、「無難な白」「落ち着いた柄」の壁紙を提案するケースが多いが、坂田さんの考えは全くの逆だ。

 「女性のファッションには姫系だったり、コンサバ系だったり、いろいろある。デパートも階層によってさまざまな種類のアパレルブランドが入っています。その中から自分に合う服を探す。壁紙もそれと同じように決めていくのが楽しい」

キッチンは1点物を

 キッチンもお客さんと一緒に楽しみながら決める。よく提案するプランは、天板をタイルで仕上げるオリジナルキッチン。

 タイルは聖和セラミックス社の商品を使用する場合が多い。これは、多様な形のタイルを自由に組み合わせて自分だけのパターンを作れる。カラーも13色から選べる。「オーダーメードのアクセサリーを作るような感覚が人気の要因」(坂田さん)。一つとして同じものがない"1点もの"ということが女性に好評だという。

 洗面化粧台も同じように、タイル仕上げでオリジナルのものを作ることが多い。

黒板塗料でメッセージ

 塗ればチョークで描けるようになる黒板塗料も勧めている。特に、玄関の近くの壁に塗装すれば、お客さんを出迎えるメッセージが書ける「ウェルカムボード」になると伝えている。壁や棚などにはアンティーク風の看板や、置物などで装飾するのも坂田さんらしさ。動物の顔の縫いぐるみを壁にかける「アニマルヘッド」も人気だ。

 リノベーションもファッションのように楽しむ―――

こんな感覚でプランニングしてもらえる点が人気の秘密のようだ。

≪リノベーションプランのポイント≫

夏水組 壁紙

◆壁紙

個性的な柄・色の壁紙を使うことが多い。国産のみならず海外メーカー品も提案。
壁紙選びはお気に入りの1品と出会うまで、「とにかく数を見てもらうこと」が重要だという。なお、輸入壁紙ではテシードの商品を取り扱うケースが多い。

夏水組 キッチン

◆キッチン

聖和セラミックスのタイルで仕上げたキッチンの天板。タイル目地には汚れの防止剤を使ったり、メンテナンスの方法をアドバイス。「磨くことをきっかけに愛着がわく方も多い」(坂田さん)。写真は相羽建設とコラボしたリノベーションルーム。

依頼の9割が女性

 個人邸のリノベーション依頼は9割が女性。30代で結婚後の住まい探しをしているケースが多い。予算の平均は700万~800万円。マンションが中心。

 「消費者の方はいろいろなものが見たいと思っています。壁紙のサンプルを見せると、他の会社とは違うセレクトなので、その瞬間に以心伝心で通じ合うこともあります。見たいものが見れない、または、見たいものを見せてくれない。そんなことで困っている方が多くて、私の会社ならそういう話を聞いてくれそうというのが、問い合わせのきっかけになっているような気がします」

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