さくら事務所(東京都渋谷区)が、インスペクション見学会を開催した。会場は同社が所有する築33年の戸建て住宅。ホームインスペクターが既存住宅の内外装のインスペクションのポイントについて解説した。

【物件概要】竣工1983年5月(築33年)/延べ床面積144平米/木造在来工法/2階建て
今回の見学会では、室内16部屋、外装9カ所のインスペクションを行った。まず参加者自らがどこに劣化があるかを探し、その後、さくら事務所のホームインスペクターが劣化ポイントを解説した。建物の具体的なチェックポイントである外回りの9カ所は、基礎、外壁、屋根、軒裏、雨どい、外部金物、バルコニー、ポーチ、物置。室内は各部屋の床、壁、天井についてそれぞれ個別にチェックした。
同社の川野武士氏は、「内部で特に注意してほしいのは建物の傾き」と話す。河野氏は傾きの著しい箇所としてダイニングの床を指摘。
一般的に1000分の3未満の勾配であれば瑕疵の可能性が低いとされるが、この家は1000分の8だった。これについて、参加者は指摘されるまで誰も気づくことができなかった。目視では分からない建物の歪みに注意が必要だ。その他の劣化部分については写真とともに解説する。
劣化ポイント(1) 基礎のヒビはシロアリの登り道
ヒビの部分には水が流れ込み、湿気を持っていた。湿気はシロアリが非常に好む環境で、ここが蟻道になる。基礎より上にシロアリが登る道を作ることになるので、重要な補修ポイントになる。
劣化ポイント(2) 木部の塗装はがれも要注意
軒裏には割れて、塗装がはがれている箇所があった。木部の割れや塗装のはがれは水の侵入経路になりやすい。木材が腐って、屋根の劣化を早めるとともに、雨漏りの原因になりうる。
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