住宅瑕疵担保責任保険法人の日本住宅保証検査機構(以下JIO)が12月1日、今後の商品展開を狙い試験的にスタートした狭小空間点検ロボットによる点検サービスが注目を集めている。同社の堀江勇暢氏に聞いた。
「建物の価値を知ってもらうために」
――大和ハウス工業の開発した狭小空間点検ロボット「モーグル」を用いた点検サービスをスタートしましたが、これはどのような狙いでしょうか。
東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏にエリアを限定した試験的サービスとして提供を始めています。保険業務とは異なりますが、中古住宅流通の活性化のため、建物の価値をきちんと買い手の方に知ってもらう情報提供の充実を狙っています。建物の価値を把握することで中古物件の販売機会増大にもつながると考えています。
――来年の3月末までキャンペーン価格で提供するそうですが、このサービスに対する反響はいかがですか。
今のところ、不動産流通業者の方が素早く反応してもらっていますね。11月末に5件の実証実験を実際の物件で行いました。クラックの計測やカビの発生、配管の点検などでしっかり建物の現状を知ってもらうことができました。その中の現場では新築時の残材があったところもあります。こういう見えない部分を売り手でない第三者が見るという安心感を持ってもらえると思います。不具合が生じた時に点検記録があれば、それが瑕疵なのか、劣化なのかが分かって責任の所在もはっきりします。
――提供する建物の情報はこれからさらに量と質が求められそうですね。
将来的には再販物件の販売の際にこうした床下の情報も含めた建物の価値をしっかりと把握し伝えることが必須になると思います。中古車買い取りのように、建物の価値を判断する基準ができて建物の価格がすぐに分かるようになれば、より市場は活性化します。リフォームでも、お施主さんとのコミュニケーションツールとして活用できますし、営業面での力にもなると思っています。今回の試験的サービスで、当社としての点検員の拡充や経験の蓄積をして、今後は首都圏以外のエリアに広げていければと考えています。
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