建築職人と発注先の請負マッチングをする新サービス「請なび(うけなび)」が本格的に動き出した。「請なび」は、職人が携帯アプリを利用し、工事案件情報を閲覧・応募することで、職人主導の仕事選択ができるサービス。依頼者側も職人不足が続く状況の中、新たな発注先の開拓が可能となる。

携帯で閲覧・応募可能
運営を行うINIHANnSの白田哲也社長は「クラウドサービスでフリーランスの職人たちが働きやすい環境づくりをしたい」と話す。
現在の建築職人数は約275万人。2000年の約382万人から100万人以上減少した。以前に比べ建築職人の収入が減少したことなどで、成り手の数が減ったことが大きな原因だ。
一方、現在働いている人は、少ない請負金額のため法定福利費も確保できず、保険料や年金の未納が続いているケースが多々ある。依頼者側の仕事情報を開示し、不当に低い請負単価を改善する目的で「請なび」は作られた。
現在、サービスは関西地区でスタート。約40社の依頼者が登録し、常時4~10件ほどの仕事情報が掲載されている。現在対応する職種は「サイディング」「コーキング」「屋根・雨樋」「大工」「パワーボード」「内装(クロス・床)」の6つ。
職種ごとに平均単価、最高価格を掲載することで、市場価格に即さない安価な仕事依頼を防止している。一方、職人の登録数は約300人。5月末までには約100社の依頼者、1000人の職人登録を計画する。
「一度使った職人は、連続利用してもらっています。仕事依頼者は注文段階で工事費用を弊社にプールしていまして、職人は完工後1週間ほどでお金が入る仕組みにメリットを感じてもらっています」(白田社長)
完工後は依頼者、職人ともに評価を行うシステムで、職人はマナー、技術、スピードに採点が付く。点数が上がることで、等級が変化。今後、利用が進めば「等級が上の職人は請負金額があがる」など、工事品質が金額に反映される仕組みへの変革を白田社長は期待する。
現在キャンペーン中につき、依頼者側の新規登録は無料。案件が成約した際は、依頼者は4%、職人は1%の手数料が発生する。
4月末までには関東、東海でもサービスを開始する予定。建築工事の依頼方法の改革を通じ、最終的には人手不足問題解決を進める方針だ。

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