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コンクリート現しの「翳りの間」【リノベーション・オブ・ザ・イヤー2024】

コンクリート現しの「翳りの間」【リノベーション・オブ・ザ・イヤー2024】

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一般社団法人リノベーション協議会主催の 「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2024」、800万円未満部門で最優秀作品賞を受賞したのが、事例「翳(かげ)りの間」である。設計・監理を担当し、施主でもある髙橋雅人建築設計事務所(宮城県仙台市)の髙橋雅人氏に、住まいの半分をコンクリート現しとしながら、上質な雰囲気を醸し出す作品の成り立ちについて聞いた。

家の半分をコンクリート現しに

美しい断面の居住空間が浮かび上がる

髙橋雅人建築設計事務所 ワンルームを居間の断面で仕切っている。夜になると居間が暗闇に浮かび上がるワンルームを居間の断面で仕切っている。夜になると居間が暗闇に浮かび上がる

髙橋雅人建築設計事務所 南の大開口から北の端まで光が届く。夜になると界壁の境界が闇に溶け込む南の大開口から北の端まで光が届く。夜になると界壁の境界が闇に溶け込む

丁寧な仕上げで
安普請に見せない

62.15平米の空間が、コンクリート現しの「翳間」と、床・壁・天井が桧合板に囲まれた「居間」にくっきりと分かれる。ワンルームのコンクリート空間に、居住空間の箱が内包されているという構図だが、その断面の美しさゆえ、ホテルライクな上質な印象を持つ。「断面がラフな仕上がりだと、解体を途中で止めたように見えてしまいます。そのため、ふかした部分の断面を見せる前提で、吊木のピッチや下地の厚さなどを計算。大きいスケールの模型をつくって、大工に見せながら仕上げてもらいました」と髙橋氏は話す。

桧合板を使いながらも上質な空間に見えるのには、他にも理由がある。約50枚の桧合板は現場で木目の向きや色によって並び順を決め、仮組みして1枚1枚の配置を最終決定した。そして釘頭が1ミリ幅と極小さく、桧の色味のフィニッシュネイルで止めていった。「竣工後に近くで見ても、どこに釘頭があるか分からないレベルになりました」(髙橋氏)

居間のキッチン、翳間のテーブルとソファは赤みがかったラワン合板で造作し、空間の色に微妙に変化を付けている。そこに組み合わせる設備はデザイン性が高いものを選び、全体としてラグジュアリーな印象を生み出すことに成功している。

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