≪テーマ : ハードよりもハート≫
~ "感動の仕組み化" で選ばれる会社に ~
◆今週のゲストコラムニスト◆
リアンコーポレーション 五嶋伸一社長
≪Profile≫2007年に株式会社リアンコーポレーションを設立。リフォームから新築事業に進出し、一人の営業マンで新築住宅を年間60棟以上販売。今年は70棟ペースで販売。独自集客からクロージングステップなどの研修や講演も多数手掛ける。
(研修、講演情報はゴシマカレッジ)
人口減少、世帯収入減少と縮小していく住宅業界。変化を求められている今、私は小手先のノウハウではなく、感動を仕組み化することでお客様と職人さんから選ばれる会社へシフトしてほしいと伝えています。しかしスタッフや職人さんが『やりがい』『楽しさ』を感じていない状態でお客様に感動など提供できないのも事実です。ES(職人さんを含めた従業員満足)、CS(お客様満足)の両立が鍵になります。
2007年の創業からリフォーム業がメーンだった私達は2011年に新築事業を始める前まで「新築なんて私達にはまだできない」という気持ちが行動の邪魔をしていました。やってみたらそんなことは全くない。そこで私達が加盟したのがゼロキューブでした。「お客様が買いやすい、私達が売りやすい、職人さんが施工しやすい」とまさに私達が求めていた内容でした。独自の販売手法として完成見学会をすべて『完全予約制』とし、事前におもてなしの準備をすることが功を奏して2年目から61棟の販売ができました。
しかしその陰で現場はバタバタしパンク寸前まで追い詰められ、売れるが売ればクレームになる状況でした。新築の経験のない現場は疲労困ぱいを極めていたのです。私が現場に行って分かったことはお客様と私達の信頼関係がないか、薄いまま着工し、工事が進んでいること、そして私達と職人さん係も薄いということでした。それは人と人の信頼という本来一番の始まりの部分です。抜本的に改善するために行ったのがスタッフと職人さん全員が集まって行う着工式でした。
一生に一度の家造り、全員が顔を合わせてどんな思いで私達が家造りをするのか、また施主様はどんな思いで家造りを決意し私達を選んでくれたのかを確認し合う場を設けたのです。はじめはスタッフも職人さんも嫌がる着工式でしたが、感動の引き渡し式までを映像に収めたDVDの作成で一気に流れが変わりました。
実際の引き渡しの場面ではスタッフはお客様の感動に触れて涙を流し、家を造っているのではなく、幸せの提供をしていることを学びました。
また職人さんは自分の技術でこれほどお客様が喜び、涙を流してくれることを確認してプライドを取り戻しました。現場は職人さんの協力のおかげで順調に進み、お客様からの紹介受注も増えたのは全て感動からくる恩恵でした。
今こそ住宅のスペックやハードよりもお客様の心に焦点をあわせた家造りが求められているのではないかと考えています。

自社の成功ノウハウを収めた書籍を発刊。6月のリフォーム産業フェア(東京ビッグサイト)ではその内容の講演を行う

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