「お風呂であれば、多能工で15%ほどの効率化が可能」。こう話すのは、新潟県でリフォーム業や空調工事業に取り組む大堀商会(新潟県新発田市)の大堀正幸社長。3年前、5カ年計画で職人育成事業を開始し、5人の多能工を新たに生み出してきた。

5人の多能工を生み出した
大堀社長は「3年で親方として独立できるぐらいの能力を身に付けさせていきたい」と話す。
2012年、同社に4人の職人の卵が集まった。前職はさまざま。美容師や自動車整備工、魚をさばいていた人もいる。県が行う補助事業に採択され、本格的に職人育成プログラムを開始した。
同社では多能工制度を「Re:Master」と名付け、水まわり工事を中心に1人で行える体制構築を進める。水道、建築、電気の3つの仕事を一貫して行える人材を育て上げる。
実際の研修はOJTで技術を学びながら、毎日1時間の施工マニュアルの作成と水曜日には3時間の実技研修を行っていく。二百数十項目のマニュアルを作ることは、体系的に施工知識を身に付けることにもつながる。独自研修で多能工の短期育成を進めてきた。
大堀社長は多能工のメリットを次のように話す。「施工の効率化もありますが、施工管理もしてくれる点が大きい。営業マンが管理する時間を減らせます」。営業マンは多能工の存在により、営業活動にこれまで以上に注力できるようになった。
今後はより多能工社員を増員する計画。最近新たに1人の職人候補生が加わった。「ビルダーさんなどの施工OEMにも取り組むたい」と大堀社長は新たな展開にも意欲を示す。

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