中村工務店は毎月1回イベントを開催している。直近の1年間の合計で、来場は735組あり、アポイントは419組獲得した。1回の平均来場者数は約35組、平均アポ率は57%。イベントを通じての売り上げは、年間約3億1000万円で、全体の4割ほどになる。
8月29日、30日に開催されたイベントのチラシ
イベント運営で、中村社長が重要と考えるポイントは、計画的なスケジューリング、来場者のニーズ把握、そして地域での認知度アップの3つ。
同社の場合、1カ月サイクルでスケジュールを作成している。(1)第1週の土日にイベントを開催、(2)第2週にイベント来場者の現地調査、(3)第3週にイベント来場者の見積もり提出、(4)第3週の金曜日にチラシ折り込み、(5)第4週にチラシからの問い合わせがあったユーザーの現地調査。このサイクルを毎月繰り返しており、イベント会場は1年先まで予約をしている。
「イベント来場者への見積もり提出は、第3週の土日になることが多いです。金曜日のチラシを見たすぐ後に見積もりを提出することになるので、『しっかりした会社なんだ』という印象をお客様に持っていただくことができ、契約率は高まります。さらに、第4週の現地調査の際は、『翌週にイベントがあるので、ぜひご来場ください』と案内をしています」(中村社長)
受付でニーズを把握
イベント来場者のニーズを把握するポイントは受付でのアンケート記入だ。受付担当者はアンケート項目を読み上げて回答を促したり、軽いヒアリングを行ったりする。ここでユーザーから情報を引き出し、的確に営業へ伝えなければならないので、受付にはベテランを配置する必要がある。
さらに、ユーザーがアンケートに答えている間に、他の社員はパソコンを使い、来場者がリピーターかどうかをチェック。リピーターである場合は、「何を求めていた」か、「どういった質問が出たか」など以前来場した際の情報を営業担当者に伝達。営業担当者は、アンケートからの情報に加えて、それを元に来場者と話すことができるので、スムーズに会話を進められる。以前のことを把握しているということは、お客様の信頼獲得にもつながる。
また、イベントの成功には、地域での認知度も大きく影響する。最も大切なのは継続すること。同社は15年間で150回以上開催している。イベント以外にも、長崎市内を走るバス2台へのラッピング広告や、年1冊の書籍出版を行っている。イベントやチラシの効果を高めるには、ブランドづくりをコツコツ続ける必要がある。

最新記事
この記事を読んだ方へのおすすめ
-
1654号(2025/06/23発行)31面
-
1654号(2025/06/23発行)21面
-
1654号(2025/06/23発行)21面
-
1654号(2025/06/23発行)17面
-
1654号(2025/06/23発行)25面