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アートリフォーム、エンドの売り上げ9年で30倍に

アートリフォーム、エンドの売り上げ9年で30倍に

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 年商35億円のアートリフォーム(大阪府吹田市)は、もともと不動産事業者などから紹介されるリフォームが売上の95%を占めていた。9年前にエンドユーザーへの販促を開始。マッチングサイトやチラシからの集客を拡大し、年々一般消費者からの売り上げ比率を高めている。

受注に至った販促活動ごとの予算と効果受注に至った販促活動ごとの予算と効果

近畿一円の営業範囲をPR

 9年前に大本哲也社長が就任した時、同社の年商は10億円だった。このうちエンドユーザーからの受注は5000万円程度だった。就任後、一般顧客の集客を開始。9年間でエンドからの売り上げを30倍の15億円まで拡大させた。

 最も注力しているのがマッチングサイトからの受注。年間工事件数は418件で、売上高は5億6000万円となっている。また、客単価は約130万円。水まわりを中心とした複合工事が中心で、受注経路別では、最も高くなっている。

 マッチングサイトを用いた集客を開始した背景には、すでに近畿一円で営業を行っていたことが挙げられる。同社は、近畿の広範囲にわたるリフォーム依頼にも対応できることを自社の強みの一つとしてPRしている。

販促活動別売り上げ比率販促活動別売り上げ比率

法人売り上げ倍増の19億円に

 一方、現在においても売り上げの56%を占め、メーンの事業となっているのが、法人からの受注だ。これは、不動産事業者やデベロッパーなど、法人からのリフォームで、中古物件の売買に伴う改修や賃貸改修が主な内容。取引企業数は100社、店舗数では300件弱。

 こちらも9年前から倍増の19億円に伸びている。これはスタッフの増員により、拠点内で発生する案件をより多く取り込めるようになったことが要因。

 法人と一般消費者、それぞれへの営業を強化するため、従業員数を年々増加させている。前期末の全従業員数は132人。9年前からは100人も増加している。

チラシは『パンフレット』
【チラシ受注 : 3.9%】アートリフォームのチラシ
 チラシを月間2回に分けて40万枚ずつ配布している。反響率は約5000分の1。水色を基調としたデザインで『清潔さ』と『さわやかさ』をPRする。同社ではチラシは『パンフレット』の位置付け。工事内容を網羅し、同社のサービス内容を知ってもらう役割を担う。

6回メールで自社をPR
【マッチング受注 : 16%】

 マッチングサイトからの応札以降、現調まで6回メールを行っている。内容としては、リフォームの流れの説明、自社のリフォームに関する考え方、リフォーム時の工事保証などだ。

 「初めてリフォームする方も多く、また、応札からの少ないやり取りでは当社の強みがなかなか伝わらない。そのため、自社への理解と安心感を高めていただくために、メールの頻度を増やしているのです」(大本社長)

★6回のメール内容
 1回目 ... 3つの安心サービスと実績のPR

 2回目 ... 部位別リフォームポイントの解説
 3回目 ... 部位別リフォームの参考価格紹介
 4回目 ... リフォーム相談の流れの案内
 5回目 ... 契約後の流れの案内
 6回目 ... 会社選択で失敗しない方法

相見積もりにしない3つのサービス
【不動産会社からの紹介受注 : 56%】

 より多くの案件を受注するために、不動産事業者の営業サポートをしている。具体的な取り組みは3つ。1つは、概算のスピード対応。売買案件について、不動産事業者が購入希望者に対して素早く費用を伝えるために、リフォームの概算見積もりを即日で行っている。「営業マン1人当たり月20~30件概算を出しています」(大本哲也社長)

 2つ目が、不動産事業者へのリフォームの提案指導。概算の前段階で購入希望者にリフォーム内容を大まかにでも伝えられれば、契約率が高まるという。そのため、不動産の営業担当に同社のスタッフが随時研修を行っている。

 3つ目が、不動産事業者との同行提案。不動産の営業マンがリフォームを含めた売買案件を素早くまとめるために、同行してリフォームの提案をその場で行うこともある。

★不動産事業者をサポートする3つのポイント
 1) 概算見積もり依頼は即日対応
 2) 事業者へのリフォームの提案指導
 3) エンドユーザーへの同行訪問
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