水道工事を中心としたリフォーム事業を行う宏輝住設(千葉県千葉市)は住まいの血管とも言える水道管を床板の張り替えなどなしに交換する新工法を開発。この工法を活用することで水道管の老朽化から発生する水漏れを防止し、住宅の長寿命化を図る活動を開始した。
12年以上前の住宅は鉄管を使用
築20年、30年経過している住宅でも住まいの血管ともいえる水道管は新築時のものをそのまま利用しているケースが多い。実際、改修しても一部分だけの交換にとどめ、水道管全体は以前のまま残されている場合がほとんどだ。梅谷太一社長はそうした状況に警笛を鳴らす。
「12年以上前の住宅はライニング鋼管という鉄管が使われているケースが多いのですが、鉄管の耐久年数は12~15年と言われています。年数が経過すると管のつなぎ目部分が劣化し、水漏れ、赤錆などが発生してきます」
鉄という素材特性のため発生する結露も問題と梅谷社長は話す。水漏れが配管から発生していなくても結露で柱や基礎が腐ってしまう場合もある。
水道を使えない期間はわずか半日
実際の水道管取り替えの工事期間は約1日半。初日で新規の配管を建物内に巡らせ、2日目に従来の水道管の撤去と設置を行う。屋外の水道メーターからキッチン、バス、トイレ等、水まわりに繋がるすべての水道管を入れ替える。水道が使えない期間は半日のみ。工事はすべて床下で行うため、壁や床を壊す必要はない。(床下にもぐれない場合だけ進入路をつくる)価格は、工法により変化するが40~40数万円ほど。
「水道屋の立場で考えると、化粧直しだけ行って、家の心臓血管部である水道管の改修を行わないのはおかしいのではと考えたのです。通常、水漏れなどが発生した場合の対処は問題があった箇所の部分改修にすぎません。それではまた、ほかの部位で問題がでてきてしまいます」同工法の特許を出願中。また配管交換の重要性を全国的に広める協力業者を募集中だ。

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