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楽天中古住宅事業を強化

楽天 中古住宅事業を強化

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楽天グループでインターネットオークション事業を手掛ける楽天オークション(東京都品川区)は、中古住宅の販売支援に本腰を入れる。同社は一般社団法人不動産競売流通協会(以下FKR)と業務提携し、競売物件の流通促進に取り組んでいるが、より連携を強化し、オークションサイトのメーンコンテンツの1つとして育てていく考え。

競売物件の問い合わせ数が3倍に

楽天オークションはオークションサイトのトップページに従来なかったコンテンツ「競売不動産」を常設し、消費者向けに割安で購入できるメリットなどについて情報発信を行っている。具体的な競売物件の購入支援方法は、同社のサイトからFKRが運営する競売物件紹介サイト「981・jp」へとユーザーを送客する。

その後、同サイトに加盟する不動産会社などが「競売コンシェルジュ」として、ユーザーの物件選びや入札をサポートする。多くの場合、中古住宅購入と合わせてリフォームが必要となるため、会員にはリフォーム会社も少なくない。現在、会員は全国に406社いる。また、ネット上でのサービスだけでなく、購入希望者向けのセミナーも開催している。

3月に両者が業務提携して以来、問い合わせは前年比3倍に増加。今後はより取引量を増やすために、会員向けコンペティションを開催し、競売物件購入支援の成績上位会社をオークションサイト内の広告枠に無料で紹介するなどの連携を図っていく。また、これまで数ヵ月に1回だったセミナー・相談会を月1、2回ペースに増やす。

殿村英嗣社長は「2006年にオークション事業を開始して以来、ネットを通じてさまざまな商品の取引を行ってきました。今後、取り扱いの額をさらに伸ばしていくためには、と考えた結果、『不動産』に注目しました」と話す。

両者の取り組みが進めばリフォーム需要の掘り起こしにもつながりそうだ。

リフォーム会社のモーベリーホーム(福岡県北九州市)は、2年ほど前に「競売コンシェルジュ」としての活動を開始。以来、13物件の販売サポートに成功し、リフォームの受注も獲得してきた。最近では、リフォーム事業の競合が多くなってきたことから、中古住宅再生ビジネスを新規事業として拡大させようと、自社に仲介部門を設け、積極展開している。中古を買ってリフォームしたいというユーザーには、さらに割安な競売物件を提案することが成功の要因だという。

FKRの青山一広代表理事は、「楽天の『楽天市場』のように、地元のリフォーム会社や不動産会社が活躍できる競売物件の仮想商店街をつくっていきたい。地元の物件を地元の業者が流動化させることで地域経済が活性化する」と話す。

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