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リノベる(東京都渋谷区)はワントップサービスを手掛けることで、平均850万円にも上る高額リフォーム受注に成功している。設立初年度の受注は10件だったが、20件、70件と年々増え、2013年度は200件見込み。年商18~20億円を計画。「ワンストップ」ビジネスで今勢いのある一社だ。
リノベるが提供するサービスは主に、中古住宅探し、リフォームの設計・施工、建物とリフォームの一体型ローンだ。「中古を買ってリフォームして住みたい」というニーズにすべて応える体制を取る。ユーザーの平均年齢は34歳と若く、一次取得者が多い。
山下智弘社長はこのビジネスを成功させるためのキーワードに"解除"を挙げる。同社ではユーザー向けのセミナーを重視しており、ここで日本人の多くが持つ"新築信仰"を解きほぐしていく。
「半分くらいの方がやはり新築を買おうか並行検討しています。セミナーでは、新築にこだわらず、中古でも良いという理解を深めてもらうようにしています。そのために古い築年数のものでもリノベーションで自分らしく変えられることや、最適な立地に住むことができるということを伝えていきます。私たちはこれらを"築年数解除"、"エリア解除"と呼んでいます」
ユーザー向けセミナーで中古の魅力を6伝え"新築信仰"を解除
リノベーション、立地、さらに中古のほうが資産価値の目減りが少ないという3つ目の魅力を伝えることで中古を買うメリットを伝える。
同社ではパートナーの約170社の不動産会社にも「リノベる大学」という教育制度を設けて、誰でもそのような話ができるように教育している。
"宝石物件"で差別化
"新築ではなく中古がいい"とユーザーの家選びに対する"頭"が柔らかくなったら、実際の中古住宅探しのステップに移行する。この段階で申込金10万円が必要だ。同社では他社との差別化として、リフォームされる前の中古住宅"宝石物件"を薦める。これらは未改修の中古のため、売り出し価格にリフォーム分のコストが乗っていない。その分、割安に中古を買えるわけだ。
同社では協力する不動産会社からこのような物件情報を収集。ウェブサイトでも公開し、集客の"武器"としている。ここまで来るユーザーは例え未改修の"ぼろぼろ"物件でも、リノベすることで一新できることがわかっている。そのため、同社と連携して実際の仲介売買を行う不動産会社も普段は提案しないような古い物件でも紹介しやすく、かつ成約に至りやすい。
「不動産会社の一般的な売買仲介成約率は問い合わせの7%といわれています。会員の不動産会社にはこれを11%に改善した会社があります。古くて汚くても直せるということがわかっていれば、これまでは去っていってしまったお客さんを振り向かせることができる」
リノベ向きの宝石物件を紹介。ウェブサイトの人気コンテンツ
一体ローンを提供
リフォームにも工夫がある。「いくらかかるのかわからないという不安を解消するために『定額制』を採用しています」
ウェブサイトではキッチン、バス、床材などの設備・建材がそれぞれ数種類ずつメニュー化されており、ユーザーはそこから自分で好きなアイテムを選んでいくことで、リフォーム概算費用がわかるようになっている。もちろん自分好みにオーダーすることも可能だ。マンションの全面改装となるため、平均単価は850万円と高い。
最後に中古住宅とリフォームの総費用を「リノベるパッケージローン」で組む。同社では20金融機関と提携してサービスを提供。住宅とリフォームを別々のローンで組むよりも金利が割安で、期間も長い。
同社では現在14エリアでビジネスを展開。山下社長は「来年度の受注は500件、15年度は1000件」と意気込む。将来的には、古いマンションが多い台湾、オーストラリアといった海外でもサービスを提供していく考えだ。
リノベーションを体験できるモデルルームも全国9カ所にある

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