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インテリックス(東京都渋谷区)は前期1124戸の再生マンションを販売した。累計販売数は1万3000戸超。これだけの数を販売するために、山本卓也社長が重視するのは「事業期間」と呼ばれる数値。
事業期間とは、一件の中古マンションの仕入れ決済から販売決済までの日数。同社では前期ベースで104日だった。同業他社よりも速いペース。できうる限りスピーディに再販物件を販売し、回転率を高めることで収益を積み上げていくのがこのビジネスのカギだ。
「1物件の粗利益率は約8%。事業期間を短くし、物件を年に何回転もさせていくことで、収益が上がっていきます」(山本社長)
回転率を高めるためには商品作りの期間であるリフォーム工事の短縮化、また、中古でも買いたいと思わせる魅力的な物件作りが欠かせない。
グッドインフィル工法
プレカット材を活用
リフォーム工事の短縮化につながっているのが「グッドインフィル工法」というオリジナル工法だ。これは壁、床の下地と部屋の間取りパネルにプレカット材を用いる工法。通常、これらの木工事は現場に材料を持ち込み、その場で加工して仕上げていくのが一般的だ。
しかし、同社の工法はモジュールの決まったパネルを現場で組み立てるだけの簡単施工。極力、釘を使わずにのりで仕上げられるようにできている。従来、この木工事の工期は約15日かかったが5日に短縮でき、全体の工期も短くなってきている。
また、この工法は商品力を高めることにも作用する。効率化された施工のため未経験の若手でも1年で完成度の高い工事が可能になる。大量の工事でも品質の維持がしやすい。さらに、壁と下地の間に断熱材を敷き詰め、省エネ・快適性を高めている。これらの工法は築年数が古い中古の場合は積極的に導入し、価値を高めて販売することに成功している。
築年数が30年未満で比較的新しいものは、設備・内装リニューアル、主要インフラの診断・更新を行う。室内は一新され、中古の汚さというものは感じられない仕上がりになっている。同社では平均約300万円をリフォームにかけている。
リノベーションによって中古の見た目、性能を改善
新築の半値も
また、価格設定も回転率に大きく関係してくる。同社では首都圏を中心に販売しており、平均価格は2100万円。この販売価格は新築相場に比べると「築年数が古いものであれば半値。20年であれば7掛けほどに設定している」。
割安感は売れる秘訣の1つだろう。また、保証が付いているのも購買意欲を高めるカギだという。「配管などのインフラは基本的には交換し保証を行いますが、診断して交換する必要がないと判断した部位までも保証をつけます」。
さらに「工事説明書」という、どんなリフォームをしたかについての説明書を部位ごとに出している。このような中古でも保証や履歴情報があり、安心感を感じられる商品にしていることが売れ行きにつながっている。
山本社長は、今後の中古マーケットについて「消費増税、建築費の値上がりによって新築は一時停滞するでしょう。間違いなく中古に注目する人は増えてくる」と話す。

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