「米国のセルロース断熱を国内で広めたい」―――。
こう話すのがアップルゲートジャパン(神奈川県茅ケ崎市)の峯村幹夫社長。同社が取り扱う断熱材は、米国ミシガン州に本社を置くアップルゲート・インシュレーション社のセルロース断熱材。
特徴はアメリカの新聞紙を原料としていること。紙は木の繊維ででき、インクも植物油なので、体に優しい自然素材だ。
もう1つの特徴は断熱材を霧状の水の中に通過させ、風圧をかけて壁に吹き付ける「ウォールスプレー式」という工法。この方法によって隙間なく施工できる。峯村社長は自然素材で、なおかつ高い性能を持つこと、これがアップルゲートのセルロース断熱の魅力だと話す。

隙間なく断熱材を敷き詰めるられる「ウォールスプレー式」工法
「アメリカではセルロース断熱が4割のシェアを占めていて、その半分ほどがアップルゲート社なんです。あちらでは断熱化してから1年間の電気代をチェックして、以前よりも3割軽減できなければメーカーが保証しています。ですが、一度も保証したことがないというほど性能が高い」
峯村社長がこのセルロース断熱に出会ったのが1999年。アメリカビルダー団体NAHBが主催している国際建材見本市で見つけた。「その時は翌年に品確法が施行されるというタイミングでした。日本国内で木造住宅に最適な断熱材がないか探していましたが結局見つからず、それなら同じ木の住宅文化であるアメリカにあるんじゃないかと思って行ったら本当にあった。セルロースは自然素材だし、呼吸するし、性能も高いと理にかなっている」
2000年から取り扱いを開始。認定施工店は現在65社あり、新築住宅での導入は累計で、まもなく5000棟に届く。最近ではリフォームでの取り扱いも増えつつある。「日本ではセルロースのシェアはまだ1%程度。これを少なくとも10%には広げたい」と意気込む。

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