東京・練馬で創業し30年。マツナガ(東京都練馬区)は、断熱、換気、パッシブと専門性の高い"住まいづくりのコンサルティング"を行う企業だ。
「大手ハウスメーカーが"最大公約数的な家"をたくさん造って売っているとしたら、地域の工務店は、そのエリアの特性や住む方のライフスタイルなどを考えて、一緒にカスタマイズしていくことが大事だと思います」(松永潤一郎社長)
多用なニーズに応じるために、セルローズファイバーや換気システムなどで独自の商品、工法を開発したり、太陽熱集熱パネルなどで特徴的な輸入商品を扱っている。「もちろん住宅には"これが絶対"はありません。そのお宅にとってのトータルバランス、"適材適所"のご提案をする際の選択肢の1つと考えています」

同社のMSデマンド換気システム
パッシブ技術研究会を立ち上げ、普及を目指す
最近は、とくに自然エネルギーの有効利用にこだわる。「先代のときから断熱改修に力を入れていますが、断熱は住まいの熱ムラがなくなり、光熱費が大きく削減できます。そこに自然の力を生かす"パッシブ"が加わると、さらに室内環境や省エネ性能が向上します」
北海道で長い歴史のある"パッシブシステム研究会"で勉強を重ねた松永社長は、温暖地でのパッシブ換気の普及を目指し、昨年7月、"パッシブ技術研究会"を立ち上げた。現在までに関東近県や長野、高知などの賛同者が集まり、研究や見学会のほか、住宅を建ててそのデータを蓄積、分析している。「今、練馬に建設中の住宅では、効果が分かるように体験宿泊もできるようにしたいと思っています」
温度差による自然エネルギーで床下暖房が家全体に回るパッシブ換気は、機械に頼らない、エコな快適空間が広がるメンテナンスフリーな長寿命住宅。「実績を積んで、平成25年省エネ基準に加えてほしいと思っています。そのためのプロフェッショナルな仲間を、今、増やしているところです」
エコロジー×エコノミー×健康住宅が同社の目指す生活だ。

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