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営業と工事を分離、生産性1.1億円に山一ホーム

営業と工事を分離、生産性1.1億円に 山一ホーム

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≪特集 リフォーム会社実態調査≫

山一ホーム 知久輝昭社長

山一ホーム 知久輝昭社長

毎週月曜は1日かけて顧客情報の引き継ぎ

 山一ホーム(千葉県柏市)の特徴は営業マン1人当たりの年間売上高が1億1000万円と高い水準にあることだ。同社では新築も行っているが、それを含めると1人1億2000万円を超える。

山一ホーム 業績

 高い生産性を生み出すポイントになっているのが、営業と施工管理を分離している点にある。一般的なリフォーム会社では営業が設計・積算・施工管理までを一気通貫で担当するケースが多い。同社では営業が成約した後の工事は5人の施工管理が引き継ぐ。

 同社では6人の営業マンが月に15~16件のクロージングを行う。結果、 約65%にあたる9~10件ほどが成約となる。1件の平均単価が110万円なので、営業1人あたりの月商は平均して約990~1100万円となる。知久輝昭社長は「一気通貫ではこれほどの数をあたれない。営業に集中できないと成約率を高めるのも難しい」と話す。

 このスキームの難点は引き継ぎが正確にできなければ顧客満足度を下げるということ。同社では対策として毎週月曜日に「オーダーミーティング」という打ち合わせを設けている。この日は10時から18時まで丸1日かけて、営業が得た施主の情報を施工管理へと引き継ぐ。具体的には1案件につき約1時間をかける。複写ノートを使って情報を文字として記録しながら共有できるようにしている。

 また、同社では50~300万円の比較的高単価で手離れがよく、粗利額が稼ぎやすいリフォームをターゲットにすることで生産性を高めている。チラシでは水まわりも単品で提案するだけでなく「4点セットで84万円」といったパッケージ商品をPR。さらに、外壁・水まわり・内装など一度に直す「リノベーションパック」などもある。

 さらに、営業効率を上げるためにOBへのアプローチにも工夫がある。重視するのは顧客管理の仕方。定期検査時に、次にどんなリフォームをしたいかをヒアリングし、その内容を顧客情報と紐付けておくこと。「例えば夏場にキッチンリフォームをしたお客さんに聞いたら、12月の年末にはお風呂を直したいというようなことが聞けたりします。このやりたいことをリスト化しストックしておくことで、最適な時期に提案できる」(知久社長)。

 今後の経営課題はリフォーム一極集中からの脱却。同社では売り上げの拡大を図るために、新築分譲住宅と中古住宅の買い取り再販を新たにスタート。事業を多角化することで、バランスよく売り上げていく方針だ。

リフォーム産業新聞7/29号

"人事""工事""販促"については、
「リフォーム産業新聞7/29号」9面にて詳しく解説します―――

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