「2021年100億円突破する」
「人口減少、不景気により、リフォーム店が淘汰される時代が来る。でもそれは僕にとって大きな勝機」。そう話すのは、老舗リフォーム店、山商リフォームサービス(東京都足立区)の山﨑晶弘社長。前期売上高31億5000万円、「2021年には100億円突破を」と意気込む、同社のこれまでと今後の戦略を紹介する。
山商リフォームサービス 山﨑晶弘社長
チラシにやられた
同社は1983年に創業。「住宅リフォーム」という言葉があまり一般的でない時期から事業を開始し、10年ほどで本社がある足立区を中心に、3店舗まで拡大した。
「創業した当初はリフォーム店なんてあまりない時代。リフォームをやっているというだけでお客さんが来た」(山﨑社長)
しかしそんな上昇傾向もそれほど長くは続かなかった。97年頃に、商品とリフォーム費用を明示するいわゆる「メニュー型チラシ」が流行。価格の透明性をPRする競合他社に押され、同社の売り上げは激減。店は1店舗、社員は現在の熊谷和樹取締役しか残らなかった。
再起を決意した山﨑社長が目指し始めたのが、平均単価の向上だった。
「リフォームは生涯頻度の低い商品。単価の低いリフォームでは、頻度が高いというわけではない。だったら高額を狙わないと、効率の悪いビジネスから脱却できない。そのためには、大型リフォームをする時、候補の1つに上がる会社にならないと、生き残れないと思った」
長い時間を要したが、その成果は如実に数字に表れている。長い時間をかけじりじりと単価を伸ばし、2006年には平均130万円台に。ここ数年ではより急激に単価アップを図り、昨年12月単月では平均300万円を突破した。
雑誌に2000万円
同社はなぜ高額案件の受注に成功しているのか。その理由は、大きく「ブランディング」と「社内体制」にある。
同社が一般的なリフォーム専業店と異なるのが、ブランディング広告に大きく予算を割いていることだ。主な広告出向先が、SUUMOの発行するリフォーム雑誌。年間10回以上は広告掲載を行い、約2000万円を費やす。

最新記事
この記事を読んだ方へのおすすめ
-
1654号(2025/06/23発行)31面
-
1654号(2025/06/23発行)21面
-
1654号(2025/06/23発行)21面
-
1654号(2025/06/23発行)17面
-
1654号(2025/06/23発行)25面