ゾアコーポレーション(神奈川県横浜市)はチラシ作りを通じて新人教育を行うという方法を採用している。販促活動にもつながるユニークな取り組みだ。

▲2011年4月に入社した新人の山本千尋さん(左)と酒井裕希さん(右)。相談しながらチラシ作りを行うことも多いという。
新卒社員が商品知識を習得
ゾアコーポレーションでは2011年4月に入ってきた新人に毎週1枚のチラシ作りを課している。1人毎週1枚、チラシを作り、それを自分が受け持つターゲットマンションに配布する。この一連の流れが教育となる。
チラシ作りには条件がある。形式はA4、カラー、1テーマ。1テーマとは、「キッチン」「トイレ」「全面改装」などどれか一つテーマを設けることだ。そして盛り込むべき内容は、(1)ユーザーニーズ(今の生活にどんな不満があるか)、(2)解決策(不満を解決するためのリフォーム用商品や機能の解説)、(3)費用(工事費込みの定価)│となる。「このチラシ作りを行うことでヒアリング、プランニング、見積もりの練習になるわけです」(加藤一義社長)。
左に掲載したチラシは新人が作った「トイレ」のチラシだ。見出しには「トイレ問題解決します!お悩み別トイレコレクション」とあり、以下のような生活の不満が書かれている。一つは、トイレ空間の中の収納量が不足している悩み、もう一つはお掃除しやすいトイレが欲しいというもの。それらの悩みを解決するために実際のトイレ商品の写真とその機能を紹介し、さらに工事費込みの金額も提示される。チラシ作りは毎週テーマが変わるため幅広い知識を身につけられる。
出来上がった素案は社長や上司が確認し修正を入れて2000部ほど刷る。新人にはそれぞれ自分が開拓していくターゲットマンション(1人2000戸程度)が決められており、そこにポスティングをしていく。
入社後3カ月の第1ステージは部位ごとのリフォームチラシが中心。第2ステージは配るマンションの図面をチラシに入れ込み、間取りの変更などを含めた空間全体のリフォーム提案チラシも作る。3カ月ほどまいたのちに第3ステージとしてマンションの集会室を借りた相談会イベントのチラシを作る。この研修を通じて、スキルアップはもちろんだが、当然販促活動にも連動しているので引き合いが増えてくる。最近は400万円ほどの比較的高額な案件を多数抱える新人も出てきており、売り上げ増に貢献してきている。

最新記事
この記事を読んだ方へのおすすめ
-
1655号(2025/07/07発行)9面
-
WEB限定記事(2025/07/03更新)
-
1654号(2025/06/23発行)25面
-
1654号(2025/06/23発行)31面
-
1654号(2025/06/23発行)21面