賃貸住宅のリノベーション事業を展開する市萬(東京都世田谷区)は築古物件を人気物件に変えるプラン力が強みだ。
同社の最新事例はリノベーション事業を展開しているリビタ(東京都渋谷区)とのコラボレーションプロジェクト「キクラス」だ。

市萬とリビタがコラボして再生した「キクラス」の土間プラン
「キクラス」は築25年の木造アパート。全12部屋。「駅から歩いて15分ほどかかるため利便性が悪く、さらに、築年数の古い木造。単なる原状回復ではなく付加価値を付けたリノベーションが求められていました」(市萬・西島昭社長)
両者が魅力を高めるために考えたプランは3つ。「土間プラン」「天井開放プラン」「キッチン対面プラン」。
土間プランは、室内の半分ほどの面積が土足移動可能な土間になっている。また、自転車やサーフィン用具なども室内に展示できるのが特徴。「アウトドアなど、自然派志向の趣味を持つ方をターゲットにした部屋です」(同社長)。「天井開放プラン」は、天井壁を取り除き、最大4・2mもの天井高がある広々とした空間を持つ部屋。梁と柱はむき出しにしてあるため、既存の賃貸住宅よりもより開放的な部屋に住みたいという層をターゲットに。そして、「キッチン対面プラン」は、料理や食事の際にコミュニケーションをとって仲良く暮らしたい夫婦、カップルをターゲットにした部屋だ。
「賃貸リノベーションのポイントは、誰にでも気に入られるデザインではなく、ある一定の価値観を持った層に絞って訴求すること。そして、『こんな暮らし方・生活はどうですか』というソフト面を提案することです」(同社長)
改修後は満室稼働。関西からも引き合いがあった人気物件に蘇った。

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