結婚して子供が生まれたら、家族で住むマイホームをかまえる―――そんな定番を覆す「単身者の住宅購入」が、近年増えつつある。女性の社会進出が進んだことで、特に独身女性の購入者が目立ってきたと話すリフォーム会社もある。真相を追った。
【リポート/編集部 後藤梓】
単身女性が居酒屋のような空間にしようとリノベした事例
1人世帯9%増
2015年に行われた国勢調査によると、単独世帯は1841万7922世帯を記録している。2010年から9.7%増で全体の34.6%を占める。増加の要因の1つが未婚率の上昇だ。25~29歳女性は2015年時点で60%なのだが、30年前の2.5倍だ。30~34歳は34%で3.5倍以上になっている。
単身の住宅購入はどれくらいあるのか。不動産流通経営協会は2018年に「『ひとり住まい』の持ち家ニーズ調査」を実施。過去5年以内に住宅購入した人のうち単身で住む予定があった人は、10.8%だった。
「単身女性から、住宅購入を相談されるケースが増えています」と語るのは、リノベる(東京都港区)のリノベーション本部首都圏ソリューション部副部長、小野寺七海氏だ。同社では中古マンション探しからリノベーションの設計・施工を手掛けている。単身世帯の問い合わせは昨年2割だったが、現在は3割を占めている。
そのほとんどが女性で40代が多い。購入を検討する理由として「将来、賃貸の保証人を担う人がいなくなるのでは」「長年社宅に住んでいるが45歳が年齢制限で、新居を探したい」といった賃貸や社宅に住み続ける不安を挙げる。

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