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競合相手を誉め倒す?16社に聞く、リフォーム受注を後押しするヒアリングのテクニックとチェックシート公開

競合相手を誉め倒す? 16社に聞く、リフォーム受注を後押しするヒアリングのテクニックとチェックシート公開

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リフォーム経営の鉄則 「ヒアリング」編

リフォーム経営の鉄則 「ヒアリング」編
消費者の暮らしの悩み解消、目指すは「住まいのカウンセラー」

受注の成否に関わる重要な仕事が「ヒアリング」だ。日々の生活の悩みを解消することだけでなく、「こんな暮らしを実現したい」という施主の願いを実現することが求められる。目指すは「住まいのカウンセラー」だ。そのためのノウハウを、16社に尋ねた。

【まとめ/編集部 芦原拓】

【1】ヒアリングで聞くべきこと
必須項目は「きっかけ」「動機」「ライフスタイル」

  1. 【1-1】勝負は入電時からスタート
  2. 【1-2】キッチンは料理する人目線で、「揚げ物の頻度」まで聞く
  3. 【1-3】パースや施工事例のイメージ共有を

【2】ヒアリングの注意点
時間配分に留意しながら、聞き出し方に工夫を

  1. 【2-1】水回りは現調込みで「1時間」を目安にしよう
  2. 【2-2】大型工事の場合は会う前に要望を整理
  3. 【2-3】会話内容「見える化」で「言った言わない」防ぐ
  4. 【2-4】競合を聞くのはOK、ただし批判はNG

【1】ヒアリングで聞くべきこと
必須項目は「きっかけ」「動機」「ライフスタイル」

まずは問い合わせのきっかけから。次に動機や要望、予算を聞き出すことが大事だ。さらに顧客のライフスタイル。生活に合った提案をすることで、成約率も上がる。チェックシートの活用により精度が高まり、さらには現調の時間短縮効果も期待できる。

TPO(時・所・場合)に応じたチェックシートの活用が受注を後押し

【1-1】勝負は入電時からスタート

顧客から電話の問い合わせがあった時が、最初のヒアリングだ。電話対応次第で、その後の来店や現場調査につながるかどうかが決まる。入電時に何を聞くか、あらかじめマニュアル化することで可能性が高まる。

  • 1年ほど前から電話対応時にヒアリングシートの活用を始め成約率が7割に
  • リピーターからの電話の際には、液晶画面に顧客名が表示され、パソコンで顧客名を検索して過去の履歴を閲覧しながら会話を進める
  • 新規顧客ははチラシ、HP、紹介など「きっかけ」を聞くことが必須。チェックシートにはこれらの項目が落とし込まれており、漏れなく基本情報を収集
フォーシンクが電話対応時に使用するヒアリングシートフォーシンクが電話対応時に使用するヒアリングシート
「東京の高級イタリア料理店で、お客さんの顔を見ただけで『いつもありがとうございます、◯◯様』と声をかけているのを見て、改善した」(加藤圭吾社長)
フォーシンク(島根県出雲市・リフォーム売上高2億7000万円)
  • 独自のトークスクリプトを電話対応時に活用
  • 社員がエクセル表に顧客からの様々な聞き出しのパターン、回答例を入力
シーキューブのトークスクリプト。資料請求の有無など、確認すべきことを可視化シーキューブのトークスクリプト。資料請求の有無など、確認すべきことを可視化
「コロナもあって対面で会う機会が減った分、電話が重要な接客ツール」(安本昌巨社長)
シーキューブ(大阪府八尾市・年商10億円)

【1-2】キッチンは料理する人目線で、「揚げ物の頻度」まで聞く

水回りやLDKリフォームの際、とくに各社が力を注ぐのはキッチンのリフォームのヒアリングだ。キッチンを誰が使うか、どんな料理をするのか、などを聞き取ることで、提案の内容が大きく変わる。

  • キッチンのヒアリング項目は42項目に及ぶ。聞き取り内容は、現状のキッチンのメーカーや仕様、顧客のライフスタイルに合わせた項目がずらりと並ぶ
  • 例えば、「揚げ物の頻度」「テレビを見ながら料理する頻度」「スリッパを履くかどうか」など
  • 回答次第で、顧客の生活に寄り添う、多様な提案をすることを可能にしている
長濵工舎が現場調査時に使うキッチンのヒアリングシート。質問項目は42カ所長濵工舎が現場調査時に使うキッチンのヒアリングシート。質問項目は42カ所
長濵工舎(福岡県宗像市・リフォーム売上高2億円)
  • メーカー各社のキッチン商品の機能をリスト化したものを活用
  • 例えば、クリナップのステディアの洗エールレンジフードの機能の特徴は「2カ月に1回、ボタンひとつでフィルターとファンの油汚れをまるごと自動洗浄」
桃栗柿屋ではキッチンの設備とそれぞれの機能、その機能が解決する悩みをリスト化桃栗柿屋ではキッチンの設備とそれぞれの機能、その機能が解決する悩みをリスト化
桃栗柿屋(滋賀県東近江市・リフォーム売上高6億2000万円)
  • 夫婦揃ってのヒアリングを重視
  • 不在者の意見により後になって意見が覆ることを防ぐため
相手が答えやすい質問から始める。例えば、今のキッチンを気に入っているか、よく作る料理は何か、揚げ物は多いか、オーブンはよく使うか」(鳥井奈穂子専務取締役)
アトリエノース(神奈川県鎌倉市)
  • 営業マンはキッチンを「誰がメインで使うか」を必ず聞く
キッチンをよく使うのが誰かによって、腰の負担を踏まえた高さに変える」(小林信吾社長)
小林新建(大阪府和泉市・リフォーム売上高約1億円)

【1-3】パースや施工事例のイメージ共有を

顧客の抱いているリフォームのイメージをうまくヒアリングするために商談中に手書きパースや過去の施工事例を使うことが大事だ。

  • 大型リフォームの場合、一級建築士のプランナーがヒアリングの場に同席
  • その場で顧客の希望する住まいのイメージを手書きでパース化する。
ミスターデイクのプランナーがヒアリング時に書いたイラストミスターデイクのプランナーがヒアリング時に書いたイラスト
「イタリアンレストランの外壁のような雰囲気を希望するお客様に、プランナーが白色の塗り壁に、石畳が続く風景の絵を描き、分かりやすくなった」(北野雅夫次長)
ミスターデイク(山梨県甲府市・リフォーム売上高約4億円)

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